BlenderのVSE(Video Sequence Editor)で動画編集をしていると、ストリップの合成モード(Blend Mode)に出てくる
- Replace
- Cross
- Alpha Over
- Alpha Under
- Gamma Cross
といった項目に戸惑ったことはないでしょうか。
特に、部分的にぼかしを入れたりマスクを使ったときに「なぜか思った通りに表示されない」という現象は、この合成モードが原因であることが多いです。
しかし、これらのモードは見た目の名前に対して挙動が直感的ではなく、詳しい説明がほとんどありません。
というわけで、この記事では、VSEの基本的な合成モードについて解説します。
なお、DarkenやMultiplyなどのモードも存在しますが、
これらは画像編集ソフトやコンポジター、シェーダーのMixノードと共通する一般的な合成方法のため、本記事では割愛し、
VSE特有で混乱しやすい基本モードに絞って解説します。
合成モードの前提
VSEの合成モードは大きく分けて2種類あります。
単純に色を混ぜるモード(アルファを考慮しない)
- Replace(※ほぼ混ぜないが同系統)
- Cross
- Gamma Cross
アルファ(透明度)を使って重ねるモード
- Alpha Over
- Alpha Under
この違いを理解するだけで、挙動のほとんどが説明できるようになります。
各モードの解説
基本的に上のストリップに設定したBlendモードの説明です。
Replace(リプレイス)
上のストリップで完全に上書きするモード
結果 = 上のストリップ
下のストリップは一切影響しません
最もシンプルな表示方法です
とにかく上を表示するだけ
用途
画像をとにかく切り替えたい場合に使えます。

周囲はアルファ0で透過しているテキストでも、下のストリップは一切表示されなくなります。
Cross(クロス)
2つのストリップを割合で混ぜるモード
結果 = 下 × (1 – Opacity) + 上 × Opacity
Opacity(不透明度)がブレンド割合になります
アルファ(透明度)は考慮されません
特徴
透明部分も含めて全体が混ざる
色が濁ったり暗くなりやすい
マスクが効いていないように見えることがある
「画像全体を単純に平均している」状態

Gamma Cross(ガンマクロス)
ガンマ補正を考慮してCrossするモード
基本はCrossと同じですが、
ガンマ補正で人間の目に自然に見えるように合成します。
特徴
Crossより自然な見た目になりやすい
明るさの違和感が少ない
「ちょっと見た目が良くなったCross」

Alpha Over(アルファオーバー)
上のストリップを透明度で重ねるモード
結果 = 上 + 下 × (1 – 上のα)
上のアルファ(透明度)を使って合成されます
特徴
透明部分は下のストリップがそのまま見える
マスクが正しく機能する
直感的なレイヤー合成
「一般的な“重ねる”合成」

Opacityもアルファも同様に影響されます。
Alpha Under(アルファアンダー)
下のストリップを前に出す合成モード
結果 = 下 + 上 × (1 – 下のα)
Alpha Overの上下逆バージョン
特徴
下のストリップの透明度を基準に合成
特殊なケースで使用
「レイヤー順を逆にしたAlpha Over」

まとめ
Cross系は「色を混ぜるだけ」
Alpha系は「透明度で重ねる」
特に重要なのは、
Crossは透明部分も含めて混ぜるため、マスク用途には向かない
という点です。
部分ぼかしやマスクを扱う場合は、
Alpha Overを使うのが基本になります。
関連記事
その他のブレンドモードについてはMixノードの記事で触れています。
VSEのマスク機能について



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