【VRChat】2025年版:Blenderでモデルを自作してVRChatにアップロードする方法②~モデリング・テクスチャ編~

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この記事は、Blenderで自作のアバターを作ってVRChatにアップロードして実際に遊んでみる!というシリーズの第2回、モデリング・テクスチャ編になります。主にアバター作成として、Blenderでのモデリング、UV展開、テクスチャなどの作業をしていきます。

右図の猫アバターのような簡単なキャラクターを作っていきます。いきなり人間キャラクターは難しいので、アバターアップロードの全体の流れを把握するためにもシンプルなモデリングをしていこうと思います。

第1回目:VRChatとは?から必要なソフトインストールまでは以下の記事に書いております↓

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アバターを作成する作業手順

  • モデリング
  • UV展開
  • テクスチャ
  • リギング
  • ウェイトペイント

今回の記事は①~③までです。モデリングは好きに作るから見なくてもできるよ、という方は読み飛ばしても構いませんが、身長や原点の位置など気を付けるポイントを最後の方に書いてますのでチェックしておくといいかと思います。

モデリングについては詳しく書きますが、UV展開やテクスチャペイントについてはあまり細かく書いておりません。(ものすごく長くなってしまうので…)

第一回でも書いていますが、基礎的な操作は右動画や、他のチュートリアルなど見て勉強してみてください。Blender操作についてはある程度知ってる方向けです。

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モデリング:顔の形

猫アバターを作るポイントを解説していきます。違う動物キャラクターを作るときにも使えるのでよければ参考にしてみてください。

基本の形

猫の頭、からだ、口元などの形の元になる基本の形です。まずCubeを出してサブディビジョンサーフェスモディファイアを2段階かけてApply(適用)し、さらにサブディビジョンサーフェス1段階かけます。これで編集モードで変形すると形を作りやすいです。

形を変形する

レイアウト画面の上部にある的みたいなアイコンを押すとプロポーショナル編集が使えます。

点・辺・面を選択して、G(移動)、S(スケール)、R(回転)をしようとすると、丸い灰色の範囲が出てきて、その範囲に応じてスムーズに変形することができます。範囲はマウスホイールを動かすことで変えることができます。

右図:上
横から見たときにG(Y軸)で凹ませたりふくらませたりします。
右図:下
前から見たときは、S(X軸)で顔が少し横に膨らむように変形しています。しもぶくれになる感じで

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モデリング:耳の形

ミラーモディファイアを使う

例えば耳を作るときなど左右対称に変形させたいときは、ミラーモディファイアをつけると作業が楽になります。

まず顔の半分を消し、ミラーモディファイアをつけます。Clippingにチェックをつけて、モディファイアの一番上に順番を並べ替えます。

それから、耳の部分をEで押し出しSで縮小します。ミラーをつけておけば左右同時に変形することができます。

ループカットをいれて耳を調整

耳の形を調整したくても、辺の数が少なくて形をうまく変形できないときはRループカットを使います。辺選択にしてからRを押すと、黄色い線で新しく挿入する辺の場所に色がつくので、良い場所で左クリックで決定します。

Iで面の差し込み

耳の中を凹ませます。耳の中だけを選択したいけど全体の面しかないようなときは耳の前側の面を選択し、Iを押すと、面が差し込まれます。マウスホイールで差し込む位置を変えることができます。

Shade Smooth

全体がポリゴンでカクカクして見えるときはShade Smoothを使います。オブジェクトを選択し、右クリックでメニューをだしてShade Smoothをすると面がなめらかになります。

耳の形については、他にも真ん中部分を少しふくらませるなどいろいろ調整をしています。みなさんも自分の好きな形になるように調整してみてください。

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モデリング:からだ

Cubeにサブディビジョンサーフェスをかけた基本の形から身体も作っていきます。

身体は卵型というか、下半身が大きい方がかわいいかなと思います。顔につけながらやるとバランスがとれて作りやすいです。(作業途中の猫の顔が違うのはスルーしてください。)

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モデリング:手

身体から手を生やしていきます。腕の下に辺を入れるためRでループカットし、Eで押し出して身体横から手を生やします。

Tポーズ(Tの字)になるように腕を真横にします。

腕が曲がるために間接がいるので、ループカットで5本くらい辺を増やしておきます。

手の先にいくにつれ上下に平べったくなるようにSでスケールをします。今回指は細かく作りませんが、親指だけちょっとEで押し出して作っておきます。辺が足りなかったらループカットでつくってください。形は自分が納得するまで、点や辺を動かしてみて調整してください。

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モデリング:足

足を生やします。足は太い方がかわいいと思うので、身体の下部分の結構大きめな範囲を選択して、Iで面を差し込み、Eで押し出します。

開いている足を直立姿勢に直します。足先の面が揃ってないので、S Z 0と入力して平らにします。

※ミラーモディファイアがついているので、両足が近づきすぎるとくっつきます。ミラーモディファイアのClippingとMergeのチェックを一時的に外して作業してみてください。

Loop Tools

足先を丸くしたいので、Loop ToolsのCircleという機能を使います。

Edit > Preferences > Add-onsLoop Toolsを検索してアドオンを導入し、円の形にしたい面を選択して右クリックでメニューから出してください。

Loop Tools > Circleで面全体の形が円になります。

あとはループカットで間接を作り、足の形を調整します。

足先をEで押し出して指を作ったり、好きなように作ってみてください。

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モデリング:しっぽ

しっぽを作る場合は、ミラーモディファイアがかかっているとやりにくい場合は、適用してから作ってください。

おしりのしっぽを生やしたい場所にIで面を差し込んでEで押し出してしっぽを作っていきます。Rなどで回転させながら好きな形に作ってください。

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モデリング:顔パーツ

顔は単純なパーツがついているだけです。眉毛はCubeの基本の形を伸ばしただけですし、口元もそうです。見えないところのポリゴンは無駄なので削除しています。

鼻はUVSphereを使っていますが、Cubeから作っても問題ありません。

2つあるパーツはミラーモディファイアを使うと楽です。

目はCircleから作っています。上半分の頂点をXで消して、切れた部分の2点を選択しFでつなぎます。

全ての頂点を選択し、Fで面を張って、Eで押し出して立体にします。

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ポリゴンのサイズについて

ポリゴンサイズの目安

VRChatにアップロードするポリゴンは大きすぎるとうまく表示されなかったり、アップロードできないことがあります。ポリゴン数の目安は以下のような評価になります。

  • Excellent(非常に良い): ポリゴン数7500以下
  • Good:ポリゴン数 10,000以下
  • Medium: ポリゴン数15000以下
  • Poor:ポリゴン数20000以下

最大でも70000以下でないといけませんが、Quest対応(VRデバイス)のためには20000以下でないといけません。

今回の宗房(猫アバター)は6528ポリゴンでExcellentの評価でした。(この総合評価は他にもマテリアルの数やメッシュの数の評価を合わせて決まります)

なるべくポリゴンの数は少なくなるように工夫した方がいいですが、初心者の頃は、とりあえず20000ポリゴン以下になるように調整してみてください。

ポリゴン数をチェックする

Blenderでメッシュのポリゴン数をチェックするには、上部メニューのShow Overlaysを開いて、Statistcsにチェックを入れます。

レイアウト画面にデータが表示されます。ポリゴン数は下のTrianglesの数値です。

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パーツを統合する・位置、サイズ調整

全てパーツがモデリングできたら、まずついてるモディファイアを全て適用しておいてください。※Unityで作業するとき、モディファイアを認識しないので付いたままだとエラーが出ます

それから、全てを選択してCtrl + Jで1つのオブジェクトに統合します。(※最後に選択するのは身体か顔にしてください。)統合すると、オブジェクトを選択したとき、オレンジの枠線で全てが囲まれるようになります。

一つにまとめたオブジェクトには「body」のように何かわかりやすい名前をつけておいてください

原点を地面の位置にする

まずオブジェクトモードでItemタブの中のLocationを全て0にして、原点(オレンジ色の点)をワールドの中心に持っていきます。

編集モードにして身体全体を持ちあげて、原点のあるx軸が地面になるように足を揃えます。

原点の位置が地面に着く位置になるので、ここがずれていると、アバターの身体が地面にめり込んだりします。

身長を決める

VRChatのワールドの中で快適に遊ぶために、身長は重要な要素です。建物や家具などと合わせた方がいいからです。適切なサイズにスケールしてください。

基本的には人間サイズが一番ちょうどいいサイズです。子供サイズなら1.0m ~ 1.4m、大人なら1.6m ~ 1.8mとか。あまりに小さすぎる、大きすぎるとワールドに合わなかったり、アップロードできなかったりするので、慣れるまでは1.0~1.8mくらいの範囲で作ってみてください。

DimensionsのZの数値が身長です。身長が決まったらCtrl + Aを押してメニューを出し、Scaleを選択して適用してください。

身長は視点で決まる…?

ちなみにここで身長を1.5mにしても身長の設定が1.5mになるわけではありません。一説によると、後で設定する「視点の高さ(View Point)」が身長の設定として決まるっぽいです。(なのでこの宗房(猫アバター)の身長は1.2mと設定されています)

でも他の家具などとの整合性を考えるとメッシュの高さを適切な身長に設定するのは大事です‼

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UV展開

シームを入れる

UV展開のため、継ぎ目になるシームを入れていきます。

辺選択して右クリックしてメニューを出し、Mark Seamでシームを入れていきます。

顔のパーツも全て入れていきます。

UV展開

UV Editingの画面に移動し、オブジェクトを全選択してUでメニューを出してUnwrap Minimum StretchでUV展開します。

UV展開に慣れている方は大きさを変えたり、いろいろ好きに調整してください。

注意するポイント

それぞれのパーツが近づきすぎているとテクスチャペイントのときに色がはみ出してしまうので、近づきすぎているパーツは離してください。

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テクスチャ

Shadingの画面に入り、マテリアルをつけます。Image Textureノードを出して、新しい画像を作成します。

テクスチャペイント

Texture paint画面でテクスチャペイントを行います。この記事の最初に紹介した動画などに操作の解説がありますのでわからない方は見てください。

ポイント

ぼかしブラシがあるので、毛の部分や、ぼかしたい部分に使うといい感じになります。

猫の柄など、好きなようにペイントしてみてください。

ペイントができたら、画像を保存することを忘れないようにしてください。ImageタブからSave, Save As… で保存できます。

アバター猫、宗房のテクスチャはこんな感じです。

好きなようにペイントするのはとても楽しい作業ですので、ぜひやってみてください。

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リギングに続く

ここまででアバターのメッシュの用意ができました。次はリギング・ウェイトペイントの作業があります。

次回 第3回:リギング・ウェイトペイント編は以下の記事に続きます。

その他のシリーズへのリンク

第1回目:VRChatとは?から必要なソフトインストールまで

第4回:アップロード作業を解説している記事