Blenderには、すでに作成したキーポーズ(キーとなる姿勢)の間に、新しいポーズを作成するためのIn-Betweens(中割り)ツール、Breakdownerがあります。
アニメーションでは、最初と最後の重要なポーズ(キーポーズ)を作成したあと、その間を補間する「中割り」を作成することで動きを滑らかにします。
In-Betweensツールを使うことで、周囲のキーフレームを元に現在のフレームへ適切なポーズを生成でき、手作業で中間ポーズを作る手間を減らすことができます。
※以前はポーズモードでしか使えなかったのですが、Blender5.2でオブジェクトモードでも使えるようになったので、キューブなどの動きにも使えるようになりました。
基本の使い方
Pose Breakdowner(ポーズブレイクダウナー)
現在のフレームに、適切なブレイクダウンポーズ(中間ポーズ)を自動作成します。
まずはわかりやすいようにただのオブジェクトにアニメーションをつけてみます。
キューブが左から右に移動するようなアニメーションです。
(※オブジェクトでBreakdownerツールが使えるようになったのはバージョン5.2からです。)
- キーフレームを打ちたい場所にプレイヘッドを合わせる(タイムライン上で)
※前後のキーフレームが打ってないと効果がありません。 - Breakdownerのツールをクリック
左側メニューの下です。 - ビューポート上でマウス左クリックしてドラッグする
目盛りが表示され、調整した割合でオブジェクトが動きます。(一度目盛りが表示されたら、ただマウスを動かすだけでオブジェクトは動きます。) - 位置を決定する
目盛りを見ながらマウスを動かして、例えば6フレーム目に、1-12の1側に30%の位置で左クリックを押して決定します。 - キーフレームを打つ
キーフレームは自動で打たれないので、IキーやKキーで打ちます。

ツールボタンではなく上部メニューからも機能を使えます。
オブジェクトモード…Object > Animation > In-Betweens > Pose Breakdownerポーズモード…Pose > Animation > In-Betweens > Pose Breakdowner
ブレイクダウンとは、単純な補間では表現できない動きの特徴を追加するための中間ポーズです。
例えば、
- 歩きの途中で腰を沈ませる
- 腕の振りに遅れを作る
- 体のひねりを追加する
など、アニメーションらしい動きを作るために使用されます。
操作中に個別に中割りする
さっきのアニメーションでは位置のLocationしか動かしていませんが、回転やスケール、XYZなど複数の要素があっても、個別に調節できます。
例えば「回転だけ中割りを作る」「X軸方向だけ調整する」といった制御が可能です。
位置と回転の動きをつけたアニメの中割を作ってみます。
- Breakdownerを押して、ビューポート上でマウス左ドラッグして目盛りを出します。
- 位置だけ調整する
まずGキーを押してからマウスを移動させると、位置(Location)だけ目盛りに合わせて動きます。
好きな位置で左クリックで決定します。 - キーフレームを打つ
位置だけキーフレームを打ちます(※キーフレームを打たなくても左クリックで決定すると位置はそれで固定されます) - 同じフレーム位置で、もう一度ビューポート上でマウス左ドラッグして目盛りを出します。
- 回転だけ調整する
Rキーを押してからマウスを移動させると、今度は回転(Rotation)だけ目盛りに合わせて動きます。
好きな位置で左クリックで決定します。 - キーフレームを打つ
回転だけキーフレームを打ちます(※位置のキーフレームを打ってない場合は両方のキーフレームを打ちます。)
XYZの軸ごとに決定したい場合は、R、Xのようにどのトランスフォームかキーを押した後にXYZのいずれかのキーを押すと、その軸だけ動きます。

こうすると、位置は終点80%の位置だけど、回転は始点30%の角度と言う風に自由に中割をすることができます。
Pose Breakdowner実行中は、以下のキーで対象を限定できます。(操作中は画面の下部分にどのキーを押せばいいかガイドが出ています。)
| キー | 対象 |
|---|---|
| G | 移動 |
| R | 回転 |
| S | 拡大縮小 |
| B | Bendy Bone |
| C | カスタムプロパティ |
| X/Y/Z | 各軸方向のみ |
ポーズモードでボーンに中割をつくる
もちろんポーズモードでボーンに中割を作ることもできます。
- 前後のキーフレームを打っておいて、その間の、打ちたいフレームにプレイヘッドをセットします。
- Breakdownerツールをクリックします。
- 胴体ボーンのみ中割
動いてるボーンを全て選択します。(Aで全ポーン選択すると簡単です。):図の❶ - 左クリックしたまま左右にドラッグするとメモリが表示されて補間されたポーズになります。:図の❶
- 例えば胴体のボーンのちょうどいい位置に来たら左クリックで決定します。:図の❶
- 胴体ボーンだけを選択し、キーフレームを打ちます。:図の❷
- 腕ボーンのみ中割
同じフレーム位置で、もう一度全ボーン選択して左クリックしたままドラッグ。目盛りが表示されます。:図の❸ - 腕のちょうどいい位置で決定して、腕ボーンのみ選択しキーフレームを打ちます。:図の❹

このように、全体を動かしながら、ちょうどいい位置で決定したいボーンだけ中割することができます。
2Dアニメのように、中割の画像を静止画っぽく作りたいときなどに非常に便利です。
In-Betweensツールの種類
Blenderには以下の5種類の中割り補助ツールがあります。
- Blend Pose with Rest Pose
- Push Pose from Breakdown
- Relax Pose to Breakdown
- Pose Breakdowner
- Blend to Neighbor
それぞれ異なる方法で中間ポーズを調整できます。
Blend Pose with Rest Pose(レストポーズとのブレンド)
メニューの場所
- ポーズモード:
Pose > Animation > In-Betweens > Blend Pose with Rest Pose - オブジェクトモード:
Object > Animation > In-Betweens > Blend Pose with Rest Pose
現在のポーズを、レストポーズ(初期状態のポーズ)へ向かって補間する機能です。
通常の中割りツールとは違い、周囲に2つのキーフレームがなくても使用でき、現在のポーズに1つだけキーがあれば利用できます。
影響度(Factor)を調整すると、
- 正の値 → レストポーズへ近づく
- 負の値 → レストポーズからさらに離れる
という変化になります。
例えば、キャラクターが大きく動いた後に、自然な姿勢へ戻すような動きを作る場合に便利です。
Push Pose from Breakdown(ブレイクダウンからポーズを押し出す)
ショートカット:Ctrl + E(自分の場合はShift + Eでも動きました)
メニューの場所
- ポーズモード:
Pose > Animation > In-Betweens > Push Pose from Breakdown - オブジェクトモード:
Object > Animation > In-Betweens > Push Pose from Breakdown - Breakdownerツール長押しでPushに変更する
一回目盛りを表示させてからShift + Eなどショートカットを押すのが一番わかりやすいと思います
現在のフレームのポーズを、周囲のキーフレームから計算される通常の補間ポーズから離す機能です。
たとえば、しゃがみ→ジャンプの中割で、もっと深くしゃがんだポーズをはさみたい場合を例にします。
- まずキーを打ちたいフレームでBreakdownerをクリックして、左クリックドラッグでメモリを表示させます。(この時点では前後のポーズの間しか動かせない)
- Ctrl+E, またはShift +Eを押すとメモリが0~100%をはみ出して移動できるようになります。
- 良い位置で左クリックで決定します。
- ボーンを選択してキーフレームを打ちます。

例えば、
- 動きを強調したい
- オーバーシュートを作りたい
といった場合に使えます。
Blenderは現在のフレームに、本来なら存在する「線形補間されたポーズ」を計算します。
Push Poseは、その補間ポーズを基準にして、さらに外側へポーズを押し出します。
Relax Pose to Breakdown(ブレイクダウンへリラックス)
ショートカット:Alt + E
メニューの場所
- ポーズモード:
Pose > Animation > In-Betweens > Relax Pose to Breakdown - オブジェクトモード:
Object > Animation > In-Betweens > Relax Pose to Breakdown - Breakdownerツール長押しでRelaxに変更する
Push Poseとは逆の働きをするツールです。
現在のポーズを、周囲のキーフレームから計算された自然な補間状態へ近づけます。
影響度を最大にすると、現在のポーズは完全に線形補間された状態になります。
手作業で作った中割りが少し不自然な場合に、動きを滑らかに整える用途で使えます。
Blend to Neighbor(隣接キーへブレンド)
ショートカット:Shift + Alt + E
メニューの場所
- ポーズモード:
Pose > Animation > In-Betweens > Blend to Neighbor - オブジェクトモード:
Object > Animation > In-Betweens > Blend to Neighbor
現在のポーズを、前後のキーフレームへ向かってブレンドします。
途中で作成したポーズを、前後の動きになじませたい場合に便利です。
In-Betweensツールの使い分け
| ツール | 用途 |
|---|---|
| Pose Breakdowner | 新しい中間ポーズを作る |
| Push Pose | 動きを強調する |
| Relax Pose | 動きを自然に戻す |
| Blend to Neighbor | 前後のキーになじませる |
| Blend Pose with Rest Pose | 初期姿勢へ戻す |
2Dアニメーションの「中割り」を3Dでも活用できる
2Dアニメーションでは、原画(重要なポーズ)の間に中割りを入れることで動きを作ります。
BlenderのIn-Betweensツールも同じ考え方で、重要なキーポーズを作ったあと、
- 動きを強調する
- タメやツメを作る
- 自然な中間姿勢を追加する
といったアニメーション調整に役立ちます。
特にPose Breakdownerは、手作業で全ての中間ポーズを作る前に使うことで、制作速度を大きく向上させることができます。
※補足:Blenderの「Breakdowner」は、単純な「自動補間」ではなく、アニメーターが意図した中間動作を作るための補助ツールです。自動生成されたポーズをそのまま使うより、そこから調整してアニメーションの個性を出す使い方が向いています。







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