Blenderでモデリングをしていると、法線(Normal)の向きが間違っているためにシェーディングが不自然になったり、レンダリング時に影が正しく表示されなかったりすることがあります。このような法線のエラーは、しばしばモデリング作業を進める上で見逃されがちです。本記事では、Blenderで法線を修正する方法を解説し、法線エラーが起きる原因とその解決策を紹介します。
この記事は、Blenderの法線(Normal)の向きを原因にして起こるトラブルと修正方法について詳しく知りたい初心者~中級者向けの記事です。
難易度
旧バージョンのBlenderとはビューポートやボタンの位置が違っているため、新しいバージョンでリライトしました。
法線とは
法線とは
法線(Normal)とは、3Dモデルの各面に対して垂直に立っている仮想的な線で、その面の向きを示します。具体的には、メッシュのポリゴン(面)ごとに、面がどの方向を向いているかを示す「ベクトル」です。この法線はシェーディング、ライティング、そしてレンダリング時に非常に重要な役割を果たします。
例えば、光源があたるとき、法線がどの方向を向いているかによってその面が明るく見えるか暗く見えるかが決まります。正しい法線が設定されていないと、モデルが不自然に表示されたり、光の反射がうまく計算されなかったりします。押し出しなどの変形でも法線が逆になっていると、押し出し方向が逆になったりと、意図しない操作の原因になります。
簡単に言うと、法線は「面がどちらを向いているか」を示すため、3D空間での見た目やレンダリング結果に大きな影響を与える非常に重要な要素です。
法線を表示する方法

法線が見たいオブジェクトを選択し、Tabを押して編集画面にはいります。右上のMesh Edit Mode Overlaysのタブを開き、下側にある、Normals(ノーマル)の左から三番目のボタンをクリックします。(古いバージョンではビューポートオーバーレイにこのボタンがありました。)
法線の長さが短くて見づらいときはSizeで長さを変えることができます。(そもそも色が見づらいというときは設定で変えることもできますが、面倒なのでワールド背景の色を変えてみるのもいいと思います)
正常なのは法線が面から外側に出ていることです。反対になっている面だと線が内側に入ってしまい見えなくなっています。
これでは見にくい場合はもっと簡単な確認方法もあります。

面の向きを色で表してくれる表示法があり、オブジェクトモードからでも見ることができます。Viewport Overlaysを開いてFace Orientationにチェックを付けるだけです。(ちなみに正常である表が青、裏が赤なので、青にするように直していくといいです。)

Blender4.4など新バージョンでは面の向きが正常だと変化なし、逆向きだと赤に表示されるようになっています。
法線の修正の仕方
法線の向きを修正

面の向きを修正するときは修正したいオブジェクトを選択して、Tabで編集画面に入ります。上のメニューからメッシューノーマルー反転を選択して面の向きを反転して修正します。
上の図は日本語になっていますが、英語だとMesh ー Normals ー Flip を選択していきます。

Alt + NでNormalsのメニューを出すこともできます。
Flip…面を反転
Recalculate Outside…すべての面を外側にする
Recalculate Inside…すべての面を内側にする
で修正することもできます。
または、Shift + Nでノーマルの向きを全て外側にそろえることができるので、このコマンドを覚えてもよいかもしれないです。
法線(Normals)の N がついているので覚えやすいですね(私は忘れますが…)。
法線修正のまとめ
モデルを作成しているとき、色や形が思った通りに表示されないことがあります。その原因の一つが法線の向きの問題です。法線は、メッシュの表面の方向を決定し、ライトの反射や影の計算に大きな影響を与えます。もしシェーディングが不自然だったり、オブジェクトの形が歪んで見える場合は、法線の向きが正しくない可能性があります。
最終的に、もしオブジェクトに違和感があったら、まず法線の向きを疑ってみることをおすすめします。法線の向きを修正すれば、シェーディングや外観が自然に整うことが多いです。
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