風のアニメーション基礎①:なびきの動きと作画のポイント

アニメーション
記事内に広告が含まれています。

風を表現するアニメーションは、

  • ものが揺れたり動くことで表現する
  • 風や衝撃波などをエフェクトで表現する

など様々な手法がありますが、今回は旗や、キャラクターの髪、服のなびきを主に解説していきたいと思います。

主に、手描きアニメを作るさいに使われる基本的な動きや、どのようなポイントに気をつければいいかまとめています。

ちなみに「なびく」は「風や水の勢いに従って揺れる」という意味ですが、「たなびく」は「雲・霞などが横に長くただよう」という意味らしいです。あと旗が揺れるときに「はためく」という言葉も使えます。たなびくって使いがちですが、実は風で揺れてる表現ではないみたいですね。

スポンサーリンク

基本のなびきの動き

基本的に2Dアニメでものが揺れたり動くとき、波を送るような動きが使われています。

波の形を送る

右画像上は正弦波をそのまま送って作った動きです。(動画は下にあります。)

端点が半円状を上下するように動きます。

この動きは、慣性やしなりの影響を加えず、波形だけをそのまま送った動きです。薄い布や紙のような軽い素材を表現するときに使われることもあります。

ポイントとしては、❶❷❸から❹への動きで大きく変化していて、等間隔の動きではないところです。

波の形を送る しなりあり

正弦波を送りながら、慣性やものの硬さを意識して、しなりがあるように動かしたものです。

端点は8の字を描くような軌跡になることが多いです。

端から逆方向に動くときに、端点が内側に曲がるように動き、だんだん外側に開いていきます。先端は前の動きを保とうとするため、フォロースルーのような動きになります。

ウェイブアクション

一番下は、アニメーターズサバイバルキットの本にあったウェイブアクションの動きを参考にしたものです。(実際はもっと左右に偏りがありました。私が左右対称にしています。)

軽くしなりながら左右に揺れるような基本の動きです。

ポイントは、根本部分から、逆方向への動きが伝わっていくところ。先端はまだ以前の動きを保とうとしています。

参考にしたものは端で方向が切り替わるときはもっと大きく形と位置が変わっていたので、切り替え時に変化をつけてもいいのかもしれません。

右動画が動かしてみたものです。

間隔やタイミングは動いてる材質や風の強さなどにもよりますが、これらの線の動き、特に切り替えのときの特徴を応用していくことになると思います。

スポンサーリンク

旗のシンプルななびきのサイクル

ウェイブアクションの動きで波を送るように作成しました。

  • 基本の形(左から谷が流れてくるので下へ動くときの間になります)
  • 中割
  • 下へ動くエネルギーが一番大きいときの形
  • 中割
  • 上へ動くエネルギーが一番大きいときの形
  • 最初へ戻る中割

②:❶~❸への中割
左から谷の形が流れてきますが、旗の端は❶の流れで上へのエネルギー(波の山)を持っているので形を中間で割らずに上に上げます。

④:❸~❺への中割
同様に、左から山の形を流しますが、旗の端は下へのエネルギー(波の谷)を持っているので下に下げます。

⑥:❺~❶への中割
上に上がってからエネルギーが抜けて、❶の基本の形へ移るところなので、波を送りつつ、旗の端は自然に中割します。

気を付けるポイント

  • 大きさを変えないけど、なるべく形を変える。
    旗が伸び縮みしたように見えないように注意しますが、全然形が変わらないのもつまらないので、例えば❸で奥の方に曲がったように描いて、長さは短くしてみたりしてます。❶は波の凹凸が少なく、旗が比較的まっすぐに近い状態なので、見た目の長さが最も長くなります。
  • 持ってるエネルギーを出す
    波が伝わるときの勢いや慣性を感じられるように動かすことが大切です。動かしてみて、なんか気持ちよくないと思ったら、波の流れや力の伝わり方が途中で切れているのかもしれません。❷のように旗の端が勢いよく開く形を作ると、風を受けてひらめく感じが出しやすくなります。

上の線と下の線がほぼ同じ形のサイクルなので、あまり形も変わっておらず、ただ空気が左から右に流れただけのようななびきになっています。

旗のなびき 応用

少し複雑な旗のなびきを作ってみます。

シンプルな旗のなびきでは、旗の上下の線が同じ動きをしているため、空気の流れが平行に流れているような動きになっていました。

上下の波の送りの位置をずらすことによって、上下の空気の流れをずらして複雑ななびきを作ることができます。

気を付けるポイント

  • 動きを整える
    布の形が変化しやすいのと、しわなどの表現もできるので単調さがなくなりますが、流れをそろえないとがちゃがちゃしてきます

右動画は旗のシンプルななびきと複雑にしたなびきのサイクルのアニメです。

スポンサーリンク

複数のアイテム、髪のなびき

マントやしっぽ、耳、髪など複数の要素のなびきがあるとき

複数のアイテムがあるとき

例えばマントなどの長いものは5~6サイクル、短いものやそこまで揺れないものは3~4サイクルで動かします。

右画像うえのうさぎの場合

  • マント…6サイクル
  • 耳…4サイクル
  • 胸周りの毛…4サイクル(もっと短いサイクルでも良かった)

髪のなびき

髪の場合、短い前髪と長い後ろ髪などでサイクルを変えます。

右画像の場合

  • 前髪…3サイクル
  • 後髪(長い)…6サイクル

髪の場合は

  • 房の形を変える…ばさばさ動いてるときは髪の塊を変えてみると面白い動きになります。
  • 髪の付け根に気を付ける…前髪の動く範囲、後ろ髪の動く範囲を決める、または頭頂部をあまり動かさないようにする。つむじ周辺を動かすとカツラが動いてるようになります。
  • すべてを同じ方向に動かさない…前髪とか後髪のグループ内の細かい房すべてを同じ方向で動かすとつまらなく、不自然になるので、反対方向に動く房も作ると良いです。

細かい部分はランダムで良い

胸毛など、細かくてばさばさ動いてる毛、短い前髪なども、結構ランダムで動かしても、それなりに毛が動いてるように見えるよってディズニーのアニメーターの人も言ってました。目立つところ、一部はきちんと流れを描いて、あとは結構ランダムに描いてもなんとかなると思う。

右動画は
複数アイテムや髪のなびき、髪の返しなどを動かした動画です。

髪の返しについては以下のセクションで説明しています。

髪の返しについて

日本の2Dアニメでは、髪の毛などが方向転換するときに、一度外側へ巻くような動きを入れる表現がよく見られます。(「返し」という)これは実際のフォロースルーや慣性による遅れをデフォルメし、少ないコマ数でも勢いや柔らかさを伝えるための表現と考えられます。

画像中の髪の返しの図について

  • ❶~❸への方向転換のときに❷で返しの形を作っています。
  • ❹~❻への方向転換のときに❺で返しの形を作っています。

例えば髪のなびきの前髪❸のときなどに返しを入れています。少ないサイクルでもファサっと勢いよく動いてくれます。また、うさぎのアニメの胸元の毛なども様々な動きがあるので、部分的に返しのような動きをいれるとバラバラと動いてるように見えます。

サイクルが短いとき、量があって動きを省略したいときなどに便利なので使ってみてください。

※ちなみに方向転換時に波のようなS字の形を作るとウェイブアクションのようにもっとやわらかくしなります。

まとめたチュートリアル動画です。

スポンサーリンク

前のフレームの軌跡をたどっていく描き方

今までは波の動きを送る、一番下、上側の動きを作って返しを作って割る、というような方法で描いていましたが、前のフレームの軌跡をたどっていく描き方が楽で効率的にいい感じの動きを描けたので紹介します。

空気の流れが入ってきて動くきっかけになるのは根本だけにして、先端は前のフレームの軌跡にある程度沿うような形にします。

  • 根本…空気で押されたり、新しく反対側の波ができるように空気が入ってきます。
  • 先端…前のフレームの軌跡をたどるような動きを作ります。(多少外れても方向があってればOK)長さが変わらないように気を付けます。

この描き方は中割りで割るのではなくて、Straight Aheadでとにかく順番に描いていくことができます。ランダム感も強まっていい感じに動いてくれます。

右動画:Youtubeショートに上げたチュートリアルです。

これは下の動画:Cosmic Nirvanaを見て参考にしたものです。

他にもたくさんのエフェクトがあって勉強になると思います。

スポンサーリンク

まとめ

波の動きとか、なびき、揺れの動きは本当にいろんな動きの基礎になる動きなので、おそらく体得するレベルまでやるといいんだろうなぁと思いました。

エネルギーが送られて発散するというサイクルでもあるので、うまくアニメーションすると気持ちいい表現ができる部分でもあります。

プロのアニメーターの方はいろんなアニメの気持ちいいなびきの形なども参考にしているらしいです。気持ちよいなびきがあればどういうサイクルなのか見てみると良いかもしれません。

ディズニーで髪のなびきと言えばポカホンタスらしいです。カラー・オブ・ザ・ウィンドで芸術的な髪のなびきが見れます。

面白い形と、重量感ある髪の感じが気持ち良いです。

スポンサーリンク

関連記事

コメント