今回は稲妻や雷について調べてアニメーションを作ってみようと思います。
ちなみに
- 雷 = 雷雲で起きる電気現象ぜんぶ(光+音+放電)
- 稲妻 = 光だけ
- 雷鳴 = 音だけ
の呼称らしいです。
物理的な現象の性質を知ることでアニメーションを作りやすくしようみたいなシリーズです。
稲妻とは
稲妻(雷・lightning)は、雲の中や雲と地面の間で起きる、巨大な静電気の放電現象です。
稲妻の発生
- 雲の中で電荷が分離する
- 雷雲(積乱雲)の中では、氷の粒・霰・水滴が激しくぶつかり合います。
- この衝突によって電荷が偏り、巨大な電気分離ができます。
- 上部:正電荷が多い
- 下部:負電荷が多い
- 地面側にも逆の電荷が誘導される
- 雲の下がマイナスに帯電すると、地面側の電子が押しのけられる
- 地表付近:正電荷が増える
- 雲と地面の間に強い電位差(電圧)ができます。
- 空気が絶縁を保てなくなる
- 空気は普通は電気を通しませんが、電場が強くなりすぎると
- 空気分子がイオン化(電子が剥がれる)
- プラズマ状態になる
- 空気は普通は電気を通しませんが、電場が強くなりすぎると
- リーダーが道を作る(先行放電)
- いきなり一気に光るのではなく、この仮のルート作りが起きます。
- 雲から細い電気の通り道(ステップリーダー)がジグザグに伸びる
- 地面側からも迎え撃つように放電が伸びる
- いきなり一気に光るのではなく、この仮のルート作りが起きます。
- 主放電(return stroke)
- 道がつながった瞬間、一気に大量の電流が流れ、激しく光ります。この瞬間が、目に見える稲妻の本体です。
- 温度は数万℃(太陽表面より高い)
- 空気が急激に膨張して雷鳴になる
- 道がつながった瞬間、一気に大量の電流が流れ、激しく光ります。この瞬間が、目に見える稲妻の本体です。

TLE(高高度発光現象)
雲内の大きな放電によって上空の電場が急激に変化すると、高高度の希薄な大気がプラズマ化し、赤いスプライトやブルージェットなどの高高度発光現象(TLE)が現れることがあります。
※色は、大気中の窒素や酸素などの成分や、その高度での大気の状態によって変わります。
その他雷の性質
枝分かれ
稲妻がギザギザ・分岐するのは、以下の要素によって、確率的に最も抵抗の低いルートを辿るためです。
- 空気の密度ムラ
- 電場の不均一
- 最も通りやすい経路を逐次選ぶ性質
極性
稲妻には、大きく分けて正極性雷(正に帯電してる雷)と負極性雷(負に帯電してる雷)の2種類があります。
正の稲妻
正の稲妻は、雲内を長い距離移動した後に地上へ落ちることが多く、放電経路(ストローク)が長くなりやすい特徴があります。そのため、大きな電流を伴う場合があり、一般的な負の稲妻より威力が大きくなることがあります。
また、枝分かれが比較的少なく、発光時間がやや長く見えることや、複数回点滅する(ストロボのような)放電が少ない傾向があります。
大きな電荷移動を伴う正極性雷では、上空の電場が大きく変化し、レッドスプライトなどの高高度発光現象(TLE)が発生することがあります。
負の稲妻
負の稲妻は、私たちが最もよく目にする一般的な稲妻です。
枝分かれが多く、リーダーが地面とつながると強い発光(リターンストローク)が起こります。その後も雲に電荷が残っている場合は、同じ放電路を使って複数回放電することがあり、ストロボのように何度も点滅して見えることがあります。
※太く光るリターンストロークでは、電子は主に雲から地面へ移動していますが、発光は地面から雲へ駆け上がるように見えます。その後は同じ放電路を使って複数回放電することがあり、またリターンストロークがストロボのように点滅して見えます。
雲内雷
雲内雷は、雷雲の中や雲同士の間で起こる放電で、地上へ落ちる雷よりも発生数が多いとされています。
巨大な雲内雷では、放電路が数十kmから100km以上に達することもあり、雲の中を長距離移動したあと、離れた場所へ地上放電する場合があります。そのため、雷雲の真下ではなく、青空が見えるような場所に落ちる晴天の霹靂(Bolt from the Blue)が発生することもあります。
また、雲内で大きな電荷移動が起こると、上空の電場が急激に変化し、レッドスプライトなどの高高度発光現象(TLE)が発生することがあります。
雷のアニメーション
雷のアニメーションで大事なのは、
- ストロークの枝が伸びていく表現
- 周囲のフレアや雲間を照らす光
の2つだと思います。
雲内雷
枝が伸びていきますが、比較的ゆっくりストロークが走ります。
電流が流れたり止まったりを繰り返していることを表現するため、雲間の周囲に広がる光を点滅させると良いと思います。(※点滅・フラッシュ表現については注意が必要です。回数の制限などをすべきです。)
簡易的にしか表現してませんが、実際は雲内雷もつながったときに太いストロークになって強く光るピークがあります。
対地上雷
雲の下から枝が伸びていきます。かなり早いので2~4フレームでもう地上に届くようなスピードです。
ピーク
地上にストロークが届くとメインの経路が太くなりかなり強い光を出します。手描きや2Dアニメーションだとここでインパクトフレーム(背景真っ白でオブジェクトを黒くする)にしてもいいと思います。
それから雷が複数回放電を繰り返すところを表現するため、ストロボのようにストロークを複数回点滅させます(あまりに速いと見えないため2コマずつ使ってもいいと思います。また、フラッシュ・点滅表現については注意が必要で、回数制限をすべきです。)
消失
ストロークが途切れ途切れになり細かく、暗くなりながら消失していきます。

フラッシュ表現について
ストローク周囲の光についてですが、周囲の稲妻や、スパークのストロークは実際は行ったり来たり、流れが強かったり弱かったりしているので点滅のようにフラッシュさせるとリアリティが増しますが、強い閃光の場合は1秒に3回までにすべきです。
色について
稲妻の色は、そのときの大気の状況やカメラのレンズなどによって変わってきます。大体下記のような色が多くみられるかもしれません。
- 青白・白 … 最も一般的。近距離の雷でよく見られます。
- 青 … 澄んだ空気中や写真では比較的見られます。
- 紫 … 雲内雷や夜間撮影ではよく見える色です。
- 黄色 … 水蒸気やちりが多い場合、あるいは遠距離で見られることがあります。
- オレンジ~赤 … 非常に遠方や大気の散乱が強い場合。
雷のアニメーション動画です。
点滅・フラッシュ表現がありますのでご注意ください。
点滅・フラッシュを多めに入れてしまったため最初はチカチカしていたのを修正しました。
現実の雷はかなり点滅やフラッシュしていますが、動画やアニメ制作では見る方に負担を与えないよう、少しマイルドにすることが必要だと思いました。
具体的には上でも紹介している以下の記事に対策や修正方法などを記しています。











コメント