Blenderの自動リギングアドオンRigifyは、メタリグを使ってワンクリックで高機能なリグを生成できる便利なツールです。
そしてそのメタリグはサブリグの集合体でできており、サブリグを追加することでオリジナルのメタリグを作りリグ生成することが可能です。
しかし、その仕組みを支えているサブリグのRig type(リグタイプ)の理解がないと、思い通りのリグを作ったり、改造したりするのは難しいです。
この記事では、Rigifyに用意されている各リグタイプについて、役割や特徴、設定オプションを、Blenderマニュアルを元に一つずつ検証して理解したことを書いています。補足や画像での理解補助が目的です。
自分好みのカスタムリグ制作の一助になれば良いなと思ってまとめています。
2025/10/19 この記事は検証途中の記事です。また理解できるところがあれば補足していきたいと思います。
そもそもRig typeとは?サブリグそのものについてと使い方の例を以下の記事で書いています↓
Rig type(リグタイプ)の分類
リグタイプには大きく分けて5つにわけられます。(Blenderのマニュアルでは6つですが、ここではface, facesを1つにまとめています。)
- Basic
- basic.copy_chain
- basic.pivot
- basic.raw_copy
- basic.super_copy
- Spines
- spines.super_spine
- spines.basic_spine
- spines.basic_tail
- spines.super_head
- Limbs
- limbs.simple_tentacle
- limbs.super_finger
- limbs.super_limb
- limbs.arm
- limbs.leg
- limbs.paw
- limbs.front_paw
- limbs.rear_paw
- limbs.super_palm
- limbs.spline_tentacle
- Face
- Faces…faces.super_face
- face.basic_tongue
- face.skin_eye
- face.skin_jaw
- Skin
- skin.basic_chain
- skin.stretchy_chain
- skin.anchor
- skin.glue
- skin.transform.basic
Blenderマニュアルには、古いバージョンの情報が記載されていることも多いです。マニュアル内容をベースに、実際機能を試してみてわかったことを補足しています。
リグ生成の基本
生成されたリグの構造
サブリグを組み合わせたり、元から用意されたメタリグを元にリグを生成することができます。
まずリグを生成すると最初に出したメタリグと、新しくリグが作られていることがわかります。メタリグはもう使わないので非表示でいいのですが、またリグを再生成するときに必要なので削除せずにとっておきましょう。(WGTSの中にはカスタムシェイプ用のオブジェクトが入ってます)
そして生成されたリグですが、一見、カスタムシェイプのリグしか見えませんが、Bone Collectionsを見ると、他のボーンが非表示になっていることがわかります。実際操作するのはリグだけですが、ボーンやリグは内部的には次のような構造で成り立っています。
- ORG ボーン(Original オリジナルボーン)…リグ生成のためにメタリグ情報を保持するボーン
- MCH ボーン(Mechanism 機構用ボーン)…リグのための機構
- DEF ボーン(Deform 変形ボーン)…変形のためのボーン
- コントロールボーン…ユーザーが操作するリグ

ORG, DEF, MCHボーンは操作するときは使いませんが、改造したり、コンストレイントをチェックするときなどに使います。
また、コントロールボーンは多くの場合元のメタリグと同じ名前がつけられています。(腕のボーンなど二つに分割されるものは数字がつきます。)
Basic
これらのリグタイプは、単一ボーンのシンプルな機能を生成するため、またはメタリグ内で直接カスタムリグを行うために使用されます。
単一ボーンリグタイプは、接続されたチェーン内でも各ボーンごとに個別に適用する必要があります。また、異なるリグタイプによって制御される接続された子ボーンを持つこともできます。
これは、通常、接続されたチェーン全体をまとめて処理するチェーンベースのリグタイプとは異なります。
basic.copy_chain
ボーンチェーンをコピーし、チェーン内の親子関係をそのまま保持します。
カスタムリグを構築する際の補助的なリグタイプとして有用です。
サブリグの構成条件
少なくとも2つの接続されたボーンで構成されるチェーンである必要があります。
オプション
- Control
有効にすると、コントロールボーンとウィジェットが作成されます。 - Deform
有効にすると、変形用ボーンが作成されます。

basic.pivot
ペアレントした子サブリグを回転・スケーリングするための「カスタムピボット」コントロールを作成する単一ボーンリグタイプ。
このタイプのコントロールは、回転・スケーリング時に子ボーンを変形させますが、移動時には回転やスケーリングの基準点(ピボット)を変更するだけです。

オプション
- Master Control
有効にすると、リグ全体を移動できる箱型ウィジェットを持つ追加の親コントロールボーンが作成されます。
また、「Deform Bone」以外のすべてのオプションを有効にするために必要です。 - Widget Type
デフォルトのキューブの代わりに、あらかじめ定義されたウィジェットの1つを選択できます。 - Pivot Control
無効にすると、実際のカスタムピボットコントロールは生成されません。
これにより、このリグタイプはbasic.super_copyに親切り替え機能と異なるウィジェットを加えたものとして動作します。 - Deform Bone
有効にすると、変形用ボーンが作成されます。

- Switchable Parent(親の切り替え)
カスタムプロパティの値に基づいて、リグの有効な親を切り替える仕組みを生成します。 - Register Parent
子サブリグの「親切り替え」機構で使用される、親スコープとしてこのリグを登録します。- Tags(タグ)
登録された親スコープに追加のキーワード(カンマ区切り)を指定します。これにより、他のリグが親候補をフィルタリングしたり、デフォルトの親を選択する際に使用できます。
代表的なタグの例:- injected(特別タグ)
この親スコープは、このリグの子だけでなく、親サブリグのすべての子にも利用可能になります。 - held_object
キャラクターが手に持つオブジェクト用のコントロール。Finger IKで優先的に使用されます。
- injected(特別タグ)
- Tags(タグ)
→マニュアルにはinjected, held_objectedの組み合わせは、手に持つオブジェクトのコントロールに最適です。と書いてありますが、injectedだけで良いので、held_objectedの意味がよくわかりませんでした。
ある上位層の親から下にそれぞれ持つ側のボーンと持たれる側のボーンを作らないとうまく探索されない。持たれる側のボーンはさらに1つボーンをはさまないとうまく探索されませんでした。理由は不明です。
basic.raw_copy
ORG-という名前の接頭辞を付けずにボーンをそのままコピーする単一ボーンのリグタイプです。通常は自動でORG-をつけてMCH-、DEF-のボーンも作られますが、このボーンでは作られません。名前にORG-、MCH-、DEF-を含めず作った場合は、そのままコントロールリグとして同じボーンがただコピーされます。コンストレイントを使えるので補助ボーンとしてメタリグに追加するのに最適です。
ただ作ったメタリグが同名でコントロールリグとして生成されるだけです。
特筆すべきなのは、コンストレイントもきちんと引き継いでくれること。さらに自動でORG-の接頭辞をつけてくれることです。
DEFなど別の接頭辞がつけたいときは下のRelink Constraintsを使います。

オプション
Relink Constraints
リグ生成処理中に作成されるボーンをターゲットに、コンストレイントを再設定します。
この機能を使用するには、制約名に@とターゲットボーン名を追加します。
例:...@bone_name
すべてのボーン生成後に、指定されたボーン名で置き換えられます。@DEF, @ORG, @MCHと書くと接頭辞をつけて、リグ生成されたものに置き換えてくれます。
Armature コンストレイントでは、各ターゲットに @ を付けるか、@CTRL、@MCH、@DEF のようにまとめて指定して全ターゲットを更新できます。

Parent(親)
このフィールドが空でない場合、親名にも同様の置換ロジックが適用されます。
この機能が有効な場合、親が存在しないボーンであっても自動的に root に親付けされません。
root に親付けしたい場合は、Parent フィールドに root と入力してください。
basic.super_copy
ボーンを単純にコピーする単一ボーンリグタイプ。
カスタム機能や特定の変形ボーンをリグに追加するための補助的なリグタイプとして有用です。
オプション
- Control
有効にすると、コントロールボーンとウィジェットが作成されます。 - Widget
有効にすると、標準の代わりにウィジェットが生成されます。 - Widget Type
デフォルトの円形の代わりに、あらかじめ定義されたウィジェットタイプを指定できます。 - Deform
有効にすると、変形ボーンが作成されます。
Relink Constraintsbasic.raw_copy と大体同じように動作します。
加えて、有効にすると、名前が「CTRL:」で始まる制約はコントロールボーンへ、「DEF:」で始まる制約は変形ボーンへコンストレイント自体が移動します。このCTRL:やDEF:がないとORGでコピーされたボーンにコンストレイントがコピーされ、機能が動作しなくなるのでほぼ必須でつけることになります。

Parent
すべてのボーンが作成された後で、親ボーンを別のボーンに置き換えます。
ただし、CTRL、DEF、MCH を使うだけの場合は、接頭辞(prefix)が置き換わるだけになります。
例えばboneを親にしていた場合、右図のようにDEFと書いておくと、リグボーンの親がDEF-boneになります。

Spines(背骨)
これらのリグは、背骨構造(spine structure) を生成するために使用されます。
頭部(head)と尾部(tail)も含めることができます。
spines.super_spine
一連のボーンチェーンの本数とユーザー指定のオプションに基づき、
曲げ(bendy)・伸縮(stretchy)対応のB-Boneスパインシステムを作成します。
これは、以下3つをまとめた複合リグ(composite wrapper)です:
- spines.basic_spine
- spines.super_head
- spines.basic_tail
ただし、tail(尾部)に関しては、ボーンの方向が逆向きになります。

spines.basic_spine
曲げ・伸縮に対応したB-Boneスパインを定義します。(Bendy-Boneを視覚的に見たいときはViewport DisplayでDisplay as B-Boneにすれば見れる)
オプション
- Pivot Position
胴体と腰のピボット位置を定義します。番号で設定しますが、右図のような位置でChestとHipのリグが曲げられるようになります。

- Custom Pivot Control
回転ピボットのコントロールを作ってくれます。全体を回転するときの位置の基準になるもの

- Assign Tweak Collections
オンにすると、TweakコントロールをIKボーンとは別のボーンコレクションに配置可能。 - FK Controls
FK制御チェーンを生成するかどうかを指定します。 - Assign FK Collections
オンにするとFKコントロールを別のボーンコレクションに配置可能になります。
spines.basic_tail
曲げ・伸縮対応のB-Boneテイルを定義します。
サブリグの構成条件
最低2本のボーンチェインが必要です。
オプション
- X, Y, Z
各コントロールボーンから次のボーンへ、どのローカル軸回転(X/Y/Z)を伝達するかを指定します。 - Connect Chain
ペアレントしたリグにB-Boneのチェーンを接続します。 - Assign Tweak Layers
オンにすると、TweakコントロールをIKボーンとは別のボーンコレクションに配置可能。

spines.super_head
胴体(torso)への接続機能を備えたヘッドリグを定義します。
何本でもリグ生成できますが、回転リグの位置が変更されます。
オプション
- Connect Chain
ペアレントしたリグにB-Boneのチェーンを接続します。 - Assign Tweak Layers
オンにすると、TweakコントロールをIKボーンとは別のボーンコレクションに配置可能。

Limbs(手足・四肢)
このカテゴリのリグタイプは、腕・脚・指などの手足系ボーンを生成します。
各種の特徴(曲げ伸ばし、IK/FK切り替え、指の自動回転など)を持ちます。
limbs.simple_tentacle(シンプル・テンタクル)
単純な 曲げ伸ばし(bendy/stretchy)対応のB-Boneチェーン を作成します。
必要に応じて、前のボーンのローカル回転を次のボーンへ伝達することもできます。
(指のような構造に便利)
サブリグの構成条件
最低でも2本以上の連結されたボーンが必要です。
オプション
- Bone roll alignment(X, Y, Z, None)
自動回転を有効にする軸を指定します。
有効にすると、後続のボーンが前のボーンのローカル回転をコピーします。
生成後も、最終リグ上の「Copy Rotation」コンストレイントでオン/オフ可能です。(AutomaticとManualがあるけど違いがよくわからなかった) - Assign Tweak Layers
有効にすると、Tweak(微調整)コントロールをメインコントロールとは別のボーンコレクションに配置できます。

limbs.super_finger(スーパーフィンガー)
曲げ・伸縮対応の指リグを作成します。
1つのマスターコントロールで全関節の回転をスケール経由で制御します。
サブリグの構成条件
最低でも2本以上の連結されたボーンが必要です。
オプション
- Bend Rotation Axis (Automatic, X, Y, Z, -X, -Y, -Z)
マスター骨のスケールにリンクされる回転軸を指定します。
※生成されるボーンのロール(回転方向)に影響します。
Automaticモードは自動的に再計算し、Manualモードではメタリグのボーンロールをコピーします。 - B-Bone Segments (整数)
各Tweakコントロールを何分割のB-Boneセグメントにするか。 - IK Control
単純なIK機構を1つ生成します。
これは完全なポージングシステムではなく、指先を一時的に接地面にロックする用途向けです。 IKは、FKで定義された指の形を基準に、指先をIKコントロールに合わせて調整します。
「持っている物体」用の共通親ボーンを作る場合は、basic.raw_copy リグを使うのが推奨です。 - IK Local Location
IKコントロールの位置チャンネルを「ローカル軸」または「ワールド軸」に合わせるかを指定します。 - Assign Tweak Layers / Assign Extra IK Layers
TweakまたはIKコントロールを別のボーンコレクションに配置可能にします。

limbs.super_limb
limbs.arm、limbs.leg、limbs.paw との後方互換用ラッパーリグです。
(古いリグ構成との互換性確保用)
limbs.arm(腕)
ユーザー設定に応じた、完全な機能を持つ曲げ伸ばし対応の腕リグを生成します。人間用腕~手のリグ。
サブリグの構成条件
3本の連結ボーン(上腕・前腕・手)
オプション
- IK Wrist Pivot
手のIKコントロールの子として、手の末端を軸に回転するピボットを生成。 - Rotation Axis (Automatic, X, Z)
IKチェーンの曲げ軸を指定。
FKチェーンは全軸で自由回転可能。 - Limb Segments (整数)
各リムボーンに追加するTweakコントロールの数。 - B-Bone Segments (整数)
各Tweakコントロールを分割するB-Boneセグメント数。 - Support Uniform Scaling
基部(根元)にあるギア形のコントロールを使って、リム全体(腕・脚など)を一括で均等スケーリングできるようにします。 - Custom IK Pivot
IK末端に、任意位置で回転できる追加ピボットを生成。 - IK Local Location
IKコントロールの「ローカル位置」オプションの値を指定します。この設定は、位置(Location)チャンネルがコントロール自身のローカル軸に対して動作するのか、ワールド軸(グローバル座標)に対して動作するのか、を決定します。 - Assign FK Layers / Assign Tweak Layers
FKやTweakコントロールをIKとは別のボーンコレクションに配置。

limbs.leg(脚)
ユーザー設定に応じた、完全な機能を持つ曲げ伸ばし対応の脚リグを生成します。人間用足のリグ。
サブリグの構成条件
4本の連結ボーン(太もも・すね・足・つま先)+足の未接続ボーン1本(かかとピボット用)
オプション
- Foot Pivot (Ankle, Toe, Ankle & Toe)
IKコントロールのピボット位置を指定。
つま先基部に追加ピボットを作ることも可能。 - Separate IK Toe
IKとFKで別々のつま先ボーンを生成。
正確なIK/FKスナップに必要。 - Toe Tip Roll
かかとコントロールを、つま先基部ではなくつま先先端を軸に回転させるスライダーを追加。 - Rotation Axis (Automatic, X, Z)
IKチェーンの曲げ軸。 - Limb Segments / B-Bone Segments / Custom IK Pivot / Assign Layers
armと同様。

limbs.paw(足・前脚/後脚)
ユーザー設定に応じた、曲げ伸ばし対応の完全な足(肉球)リグを生成します。動物用のリグです。
サブリグの構成条件
4〜5本の連結ボーン(大腿・脛・足・指など)※4本より少なくても5本より多くてもダメでした。
オプション内容は arm / leg とほぼ共通です。

limbs.front_paw(前脚)
limbs.pawをベースに、前脚用に拡張されたIKを搭載。
IK移動時に「脛」と「足」ボーンの角度変化を制限して、自然な動きを維持します。
サブリグの構成条件
4〜5本の連結ボーン
オプション
- Heel IK Influence
拡張IKの影響度。
値が高いほど、メインIKの回転が足ボーンに影響しなくなり、
低いほどブレンドされます。
他のオプションはarm / leg とほぼ共通です。

limbs.rear_paw(後脚)
limbs.pawベースの後脚用IK拡張版。
IK操作時に「太もも」と「足」ボーンをほぼ平行に保つよう動作します。
初期ポーズでは両者がほぼ平行であることが推奨。
サブリグの構成条件
4〜5本の連結ボーン(大腿・脛・足・指など)

limbs.super_palm(掌)
掌(palm)ボーン間の距離を基準にした掌リグシステムを作成します。
サブリグの構成条件
同じ親を持つ2本以上のボーン。
設定は「内側の掌ボーン(例:人差し指の中手骨)」に行い、
コントロールは「外側の掌ボーン(例:小指の中手骨)」に現れます。
オプション
- Both Sides
掌の両側にコントロールを生成し、中央ボーンへの影響をブレンド。 - Primary Rotation Axis (X, Z)
掌ボーンの自動回転軸を指定。(やってみましたが違いがわかりませんでした。どちらにしてもX軸回転になります)

limbs.spline_tentacle(スプライン・テンタクル)
Spline IKコンストレイントを利用した、柔軟な触手型リグを作成します。
コントロールボーンがベジエ曲線の制御点となり、ボーンチェーンがそのカーブに沿って動作します。
サブリグの構成条件
2本以上のボーンチェーンが必要
構造
- 曲線の制御点は「開始・中間・終端」の3グループに分類されます。
- 中間コントロールは常に可視。
- 開始/終端コントロールはトグルで表示/非表示可能。

オプション
- Extra Start Controls / Middle Controls / Extra End Controls
それぞれ追加の制御点数を設定。スタート地点、最後の地点は同じところにコントロールリグが複数できるだけなので、Middle Controlsだけ必要な数増やせば良い。 - Tip Control モード:
- Stretch To Fit
カーブ全体に合わせてチェーンを伸縮。
「End Twist」コントロールが追加され、ねじりを制御可能。 - Direct Tip Control
通常のIKのように、終端ボーンを直接制御。
カーブ端も同時に動く。ねじれ180°まで自動計算。 - Manual Squash & Stretch
チェーンのスケールを完全手動制御。
始端が全体スケール、終端がねじり+先端スケールを管理。
- Stretch To Fit
- Radius Scaling / Maximum Radius
コントロールをスケーリングしてチェーンの太さを調整可能。 - FK Controls
FKチェーンおよびIK-FKスナップを生成。 - Assign FK Collections
FKチェーンをIKボーンとは別のボーンコレクションに配置。

Face(顔)
Faces
faces.super_face
このリグタイプは、プロパティが設定された親ボーンの子ボーンとして存在するボーン群をもとに、顔のリグシステムを生成します。
※このリグタイプは、今後新しいモジュラー式のスキン&フェイスリギングシステムに置き換えられる予定のため、非推奨(廃止予定)となっています。
使用するときはUpgrade Face rigボタンでアップグレードしてから使うことを推奨されています。

Face(面)
これらのリグタイプは、モジュラー式のフェイスリグの構成要素を実装します。
face.basic_tongue(基本的な舌リグ)
シンプルな舌リグを生成します。舌の先端にボーンの根本が来るように配置します。
サブリグの構成条件
3本以上のボーンチェーンが必要
オプション
- B-Bone Segments(Bボーンセグメント数)
各調整用コントロール(tweak control)が分割される Bボーンのセグメント数を定義します。 - Primary Control Layers(主要コントロールレイヤー)
メインコントロール用のボーンコレクションを任意で指定します。

face.skin_eye(スキン式 目リグ)
上まぶたと下まぶたを制御する 2本のスキンチェーンを管理するスキンシステムの親コントローラを実装し、さらに眼球回転メカニズムも生成します。
- リグには、
.Tと.Bの対称タグ付きの2本の子スキンチェーン(上まぶたと下まぶた)が必要です。
これらは両端で接続され、目尻と目頭を形成します。
チェーンは眼球の表面に沿って配置され、法線方向に合わせてねじれるように設定されます。 - さらに、視線用ターゲットコントロールも生成されます。
同じ親リグの下にあるすべての目に共通するマスターターゲットコントロールも含まれます。(spines.super_headの先端にペアレントする必要があります。何個でも目を作ることができる(カスタムシェイプは3つ以上になると崩れる))
まぶたは眼球の動きに追従し、その追従の強さ(影響度)は調整可能です。

オプション
- Eyeball and Iris Deforms(眼球と虹彩の変形)
眼球と虹彩のデフォームボーンを生成します。虹彩はターゲットコントロールからXZスケールをコピーします。虹彩の位置は ORG ボーンの末端(tail)に配置されます。 - Eyelid Detach Option(まぶたの分離オプション)
まぶたのコントロールを眼球表面に貼り付けるメカニズムを無効化するスライダーを生成します。(使ってみたがうまく機能しない) - Split Eyelid Follow Slider(まぶた追従分離スライダー)
眼球回転の X 軸および Z 軸の影響をそれぞれ制御するための2つのスライダーを生成します。

face.skin_jaw(スキン式 あごリグ)
あご(Jaw)と口(Mouth)コントロールの動きに応じて、1つ以上の口のスキンチェーンループを管理するスキンシステムの親コントローラを実装します。
- リグには、
.T/.B/.L/.Rの対称タグが付いた4本のスキンチェーンで構成される1つ以上のループ(輪)が必要です。 - 唇のループは、口角から中央までの距離に基づいてレイヤーごとに分類され、あごと口マスターコントロールの影響をブレンドして動作します。その他の子リグはすべてあごの子になります。

オプション
- Bottom Lip Influence(下唇の影響)
「口のロック」が無効な場合に、あごの動きが下唇にどれだけ影響するかを指定します。 - Locked Influence(ロック時の影響)
「口のロック」が有効な場合に、あごの動きが上下の唇に与える影響度を指定します。 - Secondary Influence Falloff(二次影響の減衰)
各唇ループごとに、影響がどの程度減衰していくかの係数を指定します。
(下唇ループの場合、内側の下唇の影響から始まり、徐々に完全なあごの影響にブレンドしていきます。)
この「Face」系リグは、旧「super_face」構造の代替として導入された新しいモジュラー式フェイスリグの要素群です。
それぞれが独立したコンポーネントとして機能し、Skinシステムと連携して顔全体を構築できるようになっています。
Skin(スキン)
これらのリグは、複数の相互作用するB-Boneチェーンを使ってスキン(皮膚)をリギングするための柔軟なシステムを実装します。
これは新しいモジュラー式Rigifyフェイスリグの基礎として開発されました。
1. 汎用的なB-Boneチェーン
このシステムの基本的な考え方は、ほとんどの変形を強力な標準B-Boneチェーンリグで実現するというものです。
これらのチェーンは、他のリグ要素との相互作用によって高度な挙動をサポートします。
(つまり、指用・頬用・まぶた用など、用途ごとに別々の変形チェーンを作るのではなく、共通のB-Boneチェーンを使う)
実装には2種類のチェーンがあります:
- skin.basic_chain
コントロールにB-Boneを単純に接続するだけ。自動化はなし。 - skin.stretchy_chain
エンド(および任意の中間)コントロールの動きを他のコントロールへ補間し、全体が伸び縮みするようにする。

2. 自動コントロール統合(Automatic Control Merging)
変形部は、1本または複数のB-Boneチェーンによるノード間の接続で構成されます。
もし2つのチェーンのコントロール位置が完全に重なった場合、自動的に統合(マージ)されます。
統合時には、以下の要素から自動的に「所有者(owner)」が選ばれます:
- ルートからの親階層の深さ
.T/.B(上下)や.L/.R(左右)の対称マーカーs- 最後の手段としてアルファベット順
※ 手動で優先順位を設定して上書き可能です。
さらに、.L/.Rや.T/.Bのような対称ボーン名が一致するとき、
それらのオーナーの自動化は平均化されます。

3. 親コントローラー(Parent Controllers)
新システムでは親リグ用インターフェースが追加され、明示的に親ボーンを提供し、子チェーンコントロールに対して自動化を継承できるようになりました。(従来は、コントロールやチェーンの親として単純にメタリグボーン(ORG)を使っていました。)
つまり、Skinシステムのサブリグ(例:skin.basic_chain や skin.stretchy_chain)は、それ単体では「どの親に従うか」が決まっていませんので、親リグ用インターフェースである「親リグ(Parent Rig)」が明示的に「自分の子リグに何をさせるか」を定義します。
具体例:skin.transform.basic
このリグは親リグインターフェースを実装した最も単純な例です。
自分のコントロールボーン(親リグ)を動かすと、その配下にある Skinチェーン(子リグ)のコントロールポイントが自動で追従して動く。
つまり、skin.transform.basic は「このボーンの変形を子のB-Boneチェーンに伝える親リグ」ということです。
(従来の “ただ親ボーンにペアレント” と同様に見えますが、Skin系のリグは親子関係を持たないため、これはサブリグの仕組みらしいです。)
拡縮の動きなどは自動化が引き継がれているように感じました。

4. カスタムリギングとの統合
この新システムでは、メタリグ内に直接カスタム自動化を組み込む方法も提供しています。
そのためのリグコンポーネントが2つあります
(この項目に関してはまだよくわかってません。マニュアルの翻訳そのもので、検証していません)
skin.anchor
- basic.super_copy に似た単一コントロールを生成。
- ただし skinシステムの中で最優先のゼロ長チェーンとして機能。
- これにより、ユーザーが完全に制御するコントロールポイントを設置でき、他のチェーンは自動でそれに接続します。
skin.glue
- 他のスキンリグのコントロール位置に「接着」して、その位置を読み取ったり、制約を注入したりできます。
- glueボーンのヘッド位置にコントロールが存在しないとエラーになります。
- glueボーンのテールにもコントロールを検出し、それを制約ターゲットにできます(変換をコピーする用途)。
各リグタイプ詳細
Skinの各リグ、オプションについて未検証です。正直よくわかりません。skin.transform.basicやskin.anchorなど、使われてるところもなく、使い道もよくわかりませんでした。マニュアルに書いてあることほぼそのままです。
skin.basic_chain
コントロールをB-Boneで接続するだけの基本的なチェーン。
コントロール自体には自動化は追加されません。
サブリグの構成条件
1本以上のボーンチェーンが必要

オプション
- B-Bone Segments:分割数。1にすると単なるStretch Toになる。
- Merge Parent Rotation and Scale:マージ先の親の回転・スケール影響を受ける。(やってみたけどこの効果は再現できませんでした)
- Use Scale:コントロールのスケールでB-Boneのスケール/Easeを制御。
- Connect Mirror:対称チェーン(.L/.Rなど)とスムーズに接続。
- Connect Next:他チェーンの端と連続的に接続。
- Sharpen:角度が鋭い部分を自動でシャープにする。
- Orientation(座標系):選択ボーンと同じ向きに揃える。
- Chain Priority:マージ時の所有者優先順位を指定。
skin.stretchy_chain
basic_chainを拡張し、端の動きをチェーン全体へ補間(伸縮)する自動化を追加。
主なオプション
- Middle Control Position:中間コントロールの位置(0で無効)。
- Falloff(減衰):端や中間コントロールの影響範囲を指定。
0で線形、値を上げると影響範囲が広がり、-10で無効。 - Spherical Falloff:減衰カーブを球状(パラボラ→円)に変更。
- Falloff Along Chain Curve:直線でなくチェーン曲線に沿って減衰を計算。
- Propagate Twist:ツイストを中間コントロールへ伝搬。
- Propagate Scale:スケールを中間コントロールへ伝搬。
- Propagate to Controls:他チェーンにもツイスト/スケールを見せる。
- Primary / Secondary Control Layers:エンド/中間コントロールのボーンコレクション指定。
skin.anchor
ゼロ長チェーンとして機能し、常に最優先のオーナーになる。
ユーザー制御による手動的な自動化入力が可能。
オプション
- Generate Deform Bone:デフォーム用ボーンを作成。
- Suppress Control:ユーザー非表示の仕組みボーンにする。
- Widget Type:ウィジェット形状を指定。
- Relink Constraints:制約をORGからコントロールへ移動。
- Orientation(座標系):他チェーンと同様に向きを指定。
skin.glue
他のスキンリグのコントロールを読み取ったり操作したりするためのリグ。
オプション
- Glue Mode(接続モード)
- Child Of Control:コントロールの子にする。
- Mirror Of Control:Copy Transformsで兄弟にする。
- Mirror With Parents:親の自動化も含めて制御に追従。
- Deformation Bridge:Glue制約+変形ボーンのブリッジを作る。
- Relink Constraints:制約をORGからコントロールへ移動。
- Use Tail Target:テール側のコントロールをターゲットにする。
- Target Local With Parents:Mirror With Parentsに似た挙動にする。
- Add Constraint:Glue制約を影響値付きで追加。
skin.transform.basic
単純な「親コントローラー」を提供。
移動・回転・スケールによって子チェーンの位置だけを変更し、
向きやスケールは影響させない。
skin.stretchy_chainを子にしてみると、スケールによって普通の拡大縮小ではなく、伸び縮みのような効果が出ました。これがスケールではなくただ位置を変えるってことなのでしょうか…?(普通のBasic.super_copyだと普通の拡縮になります。)
オプション
- Generate Control:コントロールを生成するか、ORGの変換だけ使うか。

Rigifyガイド
Rigifyについて書いた記事を紹介しているガイドです。基礎から応用、調整まで解説しています。



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