【Blender】初心者向け:キャラクターを動かす仕組みを解説!ボーンとリグの基本説明

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Blenderでキャラクターを作れるようになると、次にやってみたくなるのが「動かす」ことです。
でも、実際に動かそうとすると「どうやって動いてるの?」「リグって何?」「ボーンって骨?」と、最初の壁にぶつかりがちです。

この記事では、Blenderでモデルを動かす仕組みを初心者向けにわかりやすく解説します。
「ボーン」や「リグ」といった基本用語の意味、キャラクターがどんな仕組みで動くのかを、イメージしやすく説明しています。

具体的な操作手順というよりも、“キャラが動く仕組み”を理解するための記事です。
これからはじめてモデルを動かしてみるという方、
チュートリアルを見ても「何をしているのかよく分からなかった」という方に向けた内容です。
仕組みを理解して、何のために今の作業をやっているのかわかってくると今後も作業がやりやすいし、上達スピードも上がります。
ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

この記事は、Blenderでキャラクターを動かす仕組みについて解説している初心者向けの記事です。

難易度 2.0

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リグやボーンは一見複雑に見える

ポーズを取ったかわいい猫のキャラクター。

どういう仕組みで動いているのか見てみると、
なんかいっぱいガチャガチャしたものが入っていて難しそう…。

3DCGアニメーション関連の記事を見るとよく見る光景だと思います。なんか骨格みたいなもんがモデルに入っていて、それを動かして、モデルを動かしています…と言われても結局よくわかりません。

しかし、この骨格みたいなのはなんなのか。そしてどうしてこれを動かすとモデルが動くのか、どうやってこの仕組みは作られているのか…?ていうかこれを自分が作るの?作れるのだろうか…?

ボーン、リグ、アーマチュアなど、言葉の意味も含めて、基本的な仕組みを解説していきたいと思います。

最後まで読めば、この図を見ても、怖くなくなるはず…です。

※これを自分で作らなくていい方法もあるけど、どっちにしろ基本的な知識は必要だから、最後まで読んでみてください。

Rigifyで組んだリグ
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ボーンについて

ボーンとは?

さきほどの図から、骨みたいな部分だけを表示してみました。これはボーンが組み合わさった構造です。(このボーンの集合をBlenderではアーマチュアなどと言いますが、また後で説明します。)

ボーンはArmature(アーマチュア)というオブジェクトの中に入っていて、ボーン1本から使うことができます。Boneという名前の通り、モデルを動かすための“骨格”として使います。

形を見ると、太い方と細い方があり、どちらにも丸い球体がついてます。太い方が根本で、ヘッドといい、細い方が先端で、テールといいます。

実際アニメーションやポーズを作るとき、ボーンを動かすと、ヘッドを基準にして動きます。

テールじゃなくて、ヘッドの位置を基準として回転したり、動くっていうのはとても重要なので覚えておいてください。

ヘッドを中心に回転するよ。

ボーンの連結

さらに、ボーンは連結して使うことができます。さっき見た猫キャラクターも、多数のボーンが連結されていました。

Blenderでは、ボーンのテールからEキーで押し出しをすると、さらにボーンが生えてきます。こうして生えてきたボーンはとなり、元のボーンはとなります。この親子の関係をペアレント関係といいます。(Eキー押し出しのときのみ自動でペアレント設定がされます。通常は自分で設定をする必要があります。)

こうして連結もできるため、ボーンのヘッドとテールはジョイント(連結部)とも呼ばれます。

ペアレント設定がされると、親が動くのに子が追従するようになります。親が回転・移動・スケールすると、子も一緒についてきます。

さっき親ボーンのテールだった部分は子ボーンのヘッドとなり、ここを基準に回転することもできます。

人間やいきものの身体はたくさんの関節があります。こうしてボーンを連結することによって、曲げる部分をたくさん作り、いきものの身体の動きを再現できるようにしているんですね。

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モデルとボーンをつなぐ仕組み(スキニング)

というわけで、ボーンを連結させてみたけど、ボーンを動かしてもモデル全然動かないじゃん!!…そうです。何もしなかったらモデルはついてきてくれないんです…!!

どうしたらボーンと一緒にモデルが動いてくれるんでしょうか?

ここではボーンとモデルがつながっている仕組みについてお話します。

モデルを動かすにはウェイトペイントが必要

あるものを動かしたとき、別のものも動かすには、ペアレントという設定で動かすこともできましたが、ボーンの場合はメッシュの「ある部分」だけしか動かしたくないですよね。手のボーンを動かしたら手の部分しか動かしたくないわけです。ペアレントすると全体が一緒に動いてしまって、ポーズがとれません。

このように、メッシュのある一部分だけ動かすようにしたいという場合、ウェイトペイントを使うとうまく動きます。

ウェイトペイントとは

メッシュ(モデルの形)にウェイトを塗って、どのボーンにどれだけ影響を受けるかを設定することができます。ウェイトは効果の強さのようなものと思ってください。

例えば、手のボーンには、手の部分にだけウェイトを乗せて(ウェイトを100%乗せるときは赤0%は黒や青くなる)、顔のボーンには、顔の部分にだけウェイトを乗せます。

すると、ボーンを動かすと、ウェイトを乗せた部分だけが動くようになり、ボーンと一緒にモデルがちゃんと動いてくれるようになります。

ボーンとモデルを関連づける一連の工程を3DCG業界ではスキニングと言います。

自動ウェイトペイント

ちなみにウェイトペイントはBlenderの数ある作業の中でもかなり難しく、苦手な人が多いです。(私も嫌い&苦手です。)

なぜ難しいかというと、肩とか、股関節の部分など、うまくウェイトを分散して塗らないとモデルの形が崩れてしまうからです。

でも大丈夫!Blenderは自動でウェイトペイントしてくれる機能があるんです…!!嬉しい。(もちろん完璧じゃないので修正しなきゃいけないとこはあるんですが…)

あと他にも自動でやってくれる機能とか結構あるので、この記事を読んで「めんどそう、やっぱBlenderやめよっかな~」って思ってる人もまだここで止めないでくださいね!

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リグとは何か(操作の仕組み)

やったぁ、できたぞ、ということで、無事猫のキャラクターも動かせるようになりました。じゃあこれで終わりでいいじゃん!!

…そうでしょうか?

この猫のキャラクターくらいシンプルなモデルだったらいいけど…

こういう、指とか、たくさんのボーンを動かさないといけないとき…、例えば、じゃんけんシーンのアニメーションを作ることになったらどうでしょうか?

想像してみてください。グーやチョキを出すたびに、指のボーンを一つ一つ曲げていくことを。…絶対いやですよね。ものすごく時間がかかるし、めんどくさすぎます。

ということで必要になるのがリグです。

自分はさきほどの指を曲げるのにボーンは操作していません。リグを操作しました。

リグは右図の線で描かれた図形みたいなやつです。赤い□がついた棒をスケールすると、指が曲がる動きをしてくれます。

これがわかると、このガチャガチャした難しそうなやつが、救世主に見えてきませんか?

リグ=キャラクターを操作しやすくする仕組み

ボーンを直接動かしてもキャラクターは動きますが、アニメーションをつけるには少し扱いづらいです。
そこで、動かしやすくするための「操作システム」を組み込んだものがリグです。

ちなみにリグも元はボーンです。ボーンだけど、操作しやすいように見た目を変更してあります。(この機能はカスタムシェイプといい、また後で解説します)見た目は違っても中身は同じボーンなんだ、ということを覚えていてください。

リグのボーンと変形ボーン(Deformボーン)は別!

リグのボーンは、メッシュ(モデル)を直接動かすためのボーンではありません。

メッシュを変形させるのはDeform(変形)ボーンと呼ばれる別のボーンです。リグはそのDeformボーンたちを操作・制御するための仕組みを持っています。

(※小規模なリグでは、Deformボーンがリグを兼ねている場合もあります。)

Blenderでは、変形しないリグボーンには「Deform」のチェックが外れています。つまり「このボーンはモデルを動かすためではなく、制御専用ですよ」という意味です。

リグはメッシュの変形はさせないのが普通です。なので、Deformというチェックが外れているよ。

リグの中にある主な仕組み:ボーンコンストレイント

リグがボーンを動かす仕組みとは具体的に何をしているかというと、Blenderではボーンコンストレイント(Bone Constraint)という機能を付けて実現しています。

コンストレイントとは、「このボーンは別のボーンの動きに合わせて〇〇のように動いてね」というルールを追加する仕組みです。
これによって、「手首を動かすと腕が自然に追従する」「足を地面に固定する」などの制御が可能になります。

例えば上図のCopy Rotationというコンストレイントは、あるボーンが回転すると、別のボーンも回転するような機構が作れます。ペアレントと違って、ローカル軸での回転がコピーできたり、他にペアレントしてるボーンにもつけることができます。

ボーンコンストレイントはたくさんある…!

コンストレイントの機能はたくさんあります。位置をコピーできたり、トランスフォームに合わせて別のトランスフォームができたり、いろいろ組み合わせて機構を作ると、先ほどの指のような動きを、1本のボーンで制御できるというわけです。

ちなみによく言われるIKという動きの仕組みもコンストレイントで作ります。

IK・FK(動きの仕組み)
  • IK(インバースキネマティクス)…手足の先を動かすと中間が自動で追従する仕組み。
  • FK(フォワードキネマティクス)…根元から順に回して動かしていく方法。

これらを切り替えて使えるようにするのもリグの一部です。

RigifyのリグについてるIKのコンストレイント。足先のリグを動かすだけで足がいい感じに曲がって動いてくれる。

なんか、これ難しくない…?と思った人もいると思います。難しいです…。でも安心してください。このためにリグを生成してくれるアドオンがあったりします。ちゃんと自分で作ってる人って多分少ないと思います。

実際、リグを設計・構築する専門職のリガー(Rigger)が存在するほど奥深い分野です。すべてを理解する必要はありません。ですが、リグを「操作する側」として、コンストレイントが“ボーンの動きを制御している”ことだけでも知っておくと、ポーズを取ったりアニメーションを付けるときにとても役立ちます。

カスタムシェイプ(Custom Shape)とは?

Blenderでは、ボーンを見やすい形に変えることができます。
これがカスタムシェイプです。

リグもボーンからできているので、そのままだとメッシュを変形する変形ボーンやその他複数のボーンが重なって操作しにくいです。
なので、リグは形を丸・矢印・箱などの形に変えて、操作しやすくしてあります。

例えばIKなら赤で四角、FKなら緑の丸い形など、どのボーンを触ればいいか一目でわかるようにする工夫です。

これも「リグを構成する要素のひとつ」であり、
アニメーターが扱いやすいように設計されている部分です。

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リグ作成について

さきほど少し触れましたが、リグ作成は初心者にとっては結構難しい部分もあります。なにより、ボーンを組んで、ウェイトペイントして、リグを組んで、カスタムシェイプを作って…と工程も多く、大変です。

まずチュートリアル動画などを見て1回作ってみることをオススメしますが、それでも自作できるようになるのは時間がかかりますよね。

そんなとき使えるのがRigifyという無料のリグ生成アドオンです。ボーンがすでに人型に組んであり、それをメッシュに合わせて配置して、1クリックするだけで高機能なリグを作ってくれます。

Rigifyの基本的な使い方については以下の記事で解説しています。↓

ただ、やはりリグは1回自分で作ってみることをオススメします。Rigifyや他のリグのアドオンを使うときも、基本的な機能や仕組みを知らないと、改造したり修正するのが難しいからです。

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アーマチュア(Armature)とは?

最後に、「アーマチュア」という言葉について整理しておきましょう。
この言葉は、Blender特有の呼び方で、主に2つの意味があります。

① アーマチュアオブジェクト(データとしての入れ物)

アーマチュア(Armature)は、ボーン構造を内包する“コンテナ”のようなものです。
ボーンを1本でも追加すると、それは必ず「アーマチュアオブジェクト」の中に作られます。

Blender内部では、アーマチュアは「オブジェクトデータ」として扱われ、ボーンの階層構造・ポーズ情報・コンストレイントなど、ボーンに関するすべての情報がこの中に保存されます。

たとえば、

  • キャラA → Armature.001
  • キャラB → Armature.002
    のように、キャラクター単位でアーマチュアを分けて使うのが一般的です。

② ボーン(リグ)構造そのものを指す言葉

もうひとつの意味は、ボーンの組み上がった構造体そのものを指すとき。
この場合は、他の3Dソフトで言う「スケルトン(Skeleton)」とほぼ同じ意味です。

業界一般では「スケルトン」と呼ばれますが、
Blenderではこれを「アーマチュア」と呼んでいるわけです。

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まとめ

ボーン・リグ・アーマチュアという言葉の意味

  • ボーン=1本のボーンのことを指して「ボーン」と言うことが多いです。が、変形ボーンで組んである複数ボーンを指してボーンと言うこともあります。
  • リグ=操作の仕組み全体。またはコンストレイントなどが付いたボーンを指してリグということもある。
  • アーマチュア=組みあげられたボーン全体

モデルが動く仕組みの流れ

  • ボーンをつなげて骨格を作る
  • モデルとボーンをウェイトペイントなどでつなぐ
  • リグでボーンを動かす仕組みを作って操作する

という流れを理解すれば、キャラを動かす仕組みが見えてくると思います。

難しく思えても、手を動かして慣れていくとだんだん作業も早くなってきて効率的になっていきます。ぜひ、1回モデルを動かしてみてください!

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