ヘアーカーブでフェルト、ふわふわファー、もこもこファーの3種類のぬいぐるみを作る方法を解説するシリーズ④もこもこぬいぐるみ編です。
Blenderのヘアカーブシステムは、ジオメトリノードの設定値を変えるだけで、多様なファーを設定することができます。フェルトの毛羽立ち、やわらかいふわふわな毛質、毛が太めのもこもこした毛質の3種類を作ってみようと思っています。
今回はもこもこファーぬいぐるみの作り方を解説します。
この記事は、Blenderでもこもこファーのぬいぐるみの作り方を解説した中級者向けの記事です。
難易度

このクマのモデリングからやりたい方は以下の記事から読んでみてください。
モデル準備
ぬいぐるみモデルを準備します。フェルト熊を作った方はそれを全部複製して、身体部分のみカーブやマテリアルを削除して右図のような状態で準備してください。
身体メッシュの下層にヘアーカーブオブジェクトがついてますので、選択してXで削除できます。

フェルト熊ぬいぐるみは作ってない…!ていう方、このぬいぐるみは口元パーツがフェルトなので以下の記事で口元パーツにだけフェルトマテリアルとフェルト設定のヘアーカーブをつけておいてください!

目、鼻
まず目や鼻はPrincipled BSDFノードを使います。
- Base Color…黒
- Roughness…0

縫い目
縫い目もPrincipled BSDFノードを使います。
- Base Color…茶色
- Roughness….7
に設定します。(茶色の毛をつけようと思っているので茶色にしてますが、色は各自好きなように設定してください。)
ただ、縫い目はジオメトリノードで作ったので、ジオメトリノード内で設定しないとマテリアルがつきません。
Group Outputノードの前にSet Materialノードをつなぎ、マテリアルを設定してください。
※複製した場合、このノードの設定を変えると他のぬいぐるみにセットされてる縫い目のマテリアルも変更されてしまいます。

Geometry Nodesの名前がかいてある右の数値をクリックすると、別のノードグループとして扱われるので、同じファイル内のノードを変更するときはこれをクリックしてください。

身体全体のマテリアル
からだにつけるマテリアルは
Principled BSDF ノードを使います。
- Base Color…茶色
- Roughness…1
にしてください。(色は各自お好きな色にしてください。)

からだにFurをつける
調整しやすいようにレンダーエンジンはCyclesにしてレンダリングビューにしておいてください。※ファーをつけるにはUV展開が必要になります。モデルにUVがない場合はUV展開をしておいてください。
身体のオブジェクトを選択し、
Shift + A > Curve > Fur
でファーをつけます。

Furをつけると、一気に身体全体に毛が生えます。
- 自動的にヘアーカーブの設定をしてくれる
- メッシュ全体にガイドカーブの毛を生やしてくれる
- 5種類のヘアーカーブ用ジオメトリノードをつけてくれる
以上の設定を自動でやってくれます。ここまでやってくれるのは本当に親切ですが、ヘアーカーブの仕組みが全然わからなくなります…。具体的にどんな設定をしているのかは以下の記事で詳細に書いていますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。(知らないとできないわけではないです)

ジオメトリノードは毛並み・毛質の感じを変えたり、増毛、長さを変えたりできるパラメータの集まりです。モディファイアの名前左側の>のアイコンで閉じたり開いたりできます。結構パラメータが多くてメニューが長いのでこれでコンパクトにしまえます。
ジオメトリノードモディファイアの設定
いらないモディファイア削除
Frizz Hair Curvesはいらないので、×アイコンをクリックして削除します。

モディファイア追加
新規のジオメトリノードモディファイアをつけていきます。
Asset Browserを開いて、ライブラリからHairを選びます。(Hairはデフォルトでアセットがついているはずです。Blenderのバージョンが古い場合はついていないかもしれません。)
そこにヘアーカーブを調整するためのジオメトリノードのセットが入っているので、
Clump Hair Curvesを画面内の毛の部分にむけてドラッグ&ドロップします。
(たまにうまくいかなかったり、からだのメッシュについてしまうことがあります。モディファイアプロパティにClump Hair Curvesモディファイアが追加されているか確認してください。)

他にも
- Trim Hair Curves
- Roll Hair Curves
を追加し、順番を右図のように並べ替えてください。

パラメータ設定
Set Hair Curve Profile
このノードは毛の太さを変更できます。
Radius…0.003
に設定します。

Trim Hair Curves
このノードは毛の長さを変更できます
- Length Factor… 0.6
- Replace Lengthのチェックを外す

Interpolate Hair Curves
このノードは毛を増やしてくれるノードです。
Density…25000
に設定します。(PCのスペックによっては重くなってしまうかもしれません。EEVEEでもファーは表現できますが、今回は触れません)

Clump Hair Curves
このノードは毛束を作るノードです。
- Guide Distance…0.05
- Existing Guide Mapのチェックを外す
- Factor…0.5
- Shape…0.1

Roll Hair Curves
このノードは毛をくるくると巻くノードです。
- Factor…0.5
- Roll Length…0.5
- Roll Radius…0.03

Hair Curves Noise
毛にノイズを加えるノードです。
- Factor…0.5
- Scale…3
- Preserve Lengthにチェックを入れる

ヘアーカーブのマテリアル設定
毛の部分、ヘアーカーブオブジェクトを選択し、マテリアルをつけます。
最初は何も表示されてないので、Use Nodesにチェックをいれます。デフォルトでPrincipled BSDFがセットされます。これで毛のシェーダーノードを組んでいくことができるようになりました。
今回は茶色いクマにしたかったので、Base Colorを茶色に設定しています。色を変えたい方は好きな色を設定してみてください。
また、あまり光ってほしくないのでRoughnessを1に上げています。

余分な毛を削除
口元の部分に毛がはみ出ているのと、縫い目の部分が完全に隠れてしまったので、修正します。

身体メッシュにウェイトペイントで毛を生やしたくないところを0(青)、生やすところを1(赤)でぬります。口元の下の部分と縫い目部分を青でぬってます。
ウェイトペイントのときは目アイコンで非表示にしても毛の表示を計算されてしまうので、PCが激重になります。ディプレイアイコンもつけて、それをオフにしてください。


Interpolate Hair Curvesノードのパラメータを開きます。
Density Maskにさきほど作ったウェイトペイントのGroupをセットします。(ウェイトペイントするとデフォルトでGroupという名前で保存されます。)
それから、少し毛がすかすかだったので、Densityを50000に上げました。
(3体くらい作ってるのでめちゃ重くなりました…。ほんとはもっとぎゅうぎゅうに毛をはやしたかった…。)
ある程度縫い目部分や口元部分に毛が生えなくなりました。

完成!
少し毛先が太めでカールしてる、もこもこなクマのぬいぐるみができました!
もこもこした質感を出すためにノードの設定が多めで少し大変でしたが、ここからさらに自分の好みのぬいぐるみの毛質に工夫していくのも楽しいと思います。
リボンをつけてみたい方は下の記事で作り方を解説していますのでぜひ作ってつけてあげてください!

シリーズ記事
シリーズ第1回目
シリーズ第2回目
シリーズ第3回目






コメント