ヘアーカーブでふわふわファー、もこもこファー、フェルトの3種類のぬいぐるみを作る方法を解説するシリーズ記事第一回目です。Blenderのヘアーカーブシステムは、ジオメトリノードの設定値を変えるだけで、多様なファーを設定することができます。
メインはヘアーカーブシステムで、リアルなファーの表現でかわいいぬいぐるみを作ってほしいと思ってるんですが、一応クマぬいぐるみのモデリングの部分も解説しています。第一回目はモデリング部分だけを解説しています。縫い目なども作る方法を解説していますので、ぜひ作ってみてください。
この記事は、Blenderで3種類のファーを持つぬいぐるみの作り方(モデリング)を解説した中級者向けの記事です。
難易度
ヘアーカーブやファーの使い方だけ知りたい方は次の記事から読んでみてください。
熊のぬいぐるみを作る
ベースの形を作る
①CubeにSubdivision Surfaceモディファイアをつける。レベル2で分割します。
Applyで適用しておきます。
②ちょっと上下にスケールします。
③床につく底面を選択して、
④S Z 0 で平らにします。
⑤またSubdivision Surfaceモディファイアをつけます。今度はレベル1分割します。適用せずつけたままにしておいてください。

顔を作る
①UV Sphere(UV球)を出して、目にします。
Mirrorモディファイアをつけて左右の目を作ります。Mirror Objectは身体のオブジェクトを選んでください。
②Cubeを出して、Subdivision Surfaceモディファイアをレベル2でかけます。Applyで適用します。
③口元用と耳用に2つ必要なので、Shift + Dで複製します。
④口元用のオブジェクトを適当に口の方にもってきておきます。
⑤耳を作ります。横からみて平べったくして、Mirrorモディファイアをつけて、耳の位置につけます。
⑥顔パーツの配置位置参考です。
口元のオブジェクトですが、ちょっと上下に縮めて、横も平べったくしています。顔から少し高さが出るように、回転させて配置しています。
目や耳のパーツの位置など、わからなかったら参考にしてみてください。
各自お好きな場所に配置して自分の思うかわいいクマにしてみてもOKです。

手足を作る
①手足を作りやすくするため、左半分の頂点を削除して、Mirrorモディファイアをつけます。(Clippingにチェックして、順番を一番上にする)
②図で選択している面をEで押し出して手を作ります。
③図で選択している2面をEで押し出して足を作ります。

鼻をつける
UV Sphere(UV球)を小さくして鼻にします。(順番が後ろになったのは忘れていただけです…。)

形を整える
身体・耳・口元パーツにもう一段階Subdivision Surfaceモディファイアで分割して滑らかにする。
そうしたらMirrorモディファイアやSubdivision SurfaceモディファイアはApplyして適用しておきます。(適用しておかないとヘアーカーブがうまくつかない)

縫い目を作る
大体できたので、次は縫い目を作っていこうと思います。縫い目はいらないって人は飛ばしても大丈夫です。
①とりあえず全てのパーツにShade Smoothをかけます。
②目を通ってるエッジをAlt押しながら一列選択します。Shift Alt 同時に押して両サイドのエッジ一列を選択できます。
③エッジを選択したまま、Ctrl + Bをクリック、マウス移動でBevelをかけます。マウスのホイールを動かして、三本のラインが出たところで左クリックすると決定になります。
縫い目の溝はなるべく狭くしてください。
④今度はそのベベルをかけてできた3本の溝の中の真ん中の一本を選択します。(両方)
⑤エッジを選択したまま、S → Shift +XでX方向以外に縮小して内側にへこませます。
縫い目の溝ができました。

しっぽを作る
プロポーショナル編集でちょっと底を下に移動させて、底面をまるくします。

Subdivision Surfaceモディファイアを2段階かけたCubeを縮小してしっぽにします。(モディファイアは適用しておく)
耳、しっぽ、身体を順番に選択してCtrl + Jで統合します。(最後に身体を選択して、身体の周りがオレンジ線で囲まれるようにしてください。)

口元パーツはTransformに余計な数値が入っているのでAll Transformしておきます。

縫い目糸を作る
※これも縫い目はいらないって人は飛ばしてOKです。
まずは縫い目が並ぶカーブを作成します。
縫い目の溝のエッジをAltで一列選択、Shift Altで両側のエッジを選択してください。
Shift + Dで両側エッジを複製します。複製したら右クリックして、P > Selectionで違うオブジェクトにします。
※右画像最後はわかりやすくエッジを見せてるだけなので、場所を移動させないでください。

ジオメトリノードをつける
エッジを選択して、ジオメトリノードエディタを開き、Newを押します。
ノードが現れますので、これからノードを組んでいきます。

縫い目の1ブロック分を作る
わかりやすいように身体を非表示にしています。
Bezier Segmentノード、Curve to MeshノードをGroup Outputノードにつなぎます。
(Group Inputノードは放置します)
Bezier Segmentノードの数値は以下のようにします
- Start X -0.1m/ Y,Z 0m
- Start Handle X -0.09m/ Y 0m/ Z 0.03m
- End Handle X 0.09m/ Y 0m/ Z 0.03m
- End X 0.1m/ Y,Z 0m
Curve to MeshノードのProfile Curve入力ソケットにCurve Circleノードをつなぎます。
Curve to Meshノードの数値は以下のようにしてください。
- Resolution 4
- Radius 0.02m

縫い目を並べる
Group Inputノード ー Mesh to Curve ー Resample Curve ー Instance on Points ー Group Outputノードという順番でつなぎます。

Instance on PointsノードのInstance入力ソケットに、さっき作った縫い目1ブロック分をつなぎます。(画像はノードを閉まってコンパクトにしています。)
- Resample CurveノードはモードをLengthにして、0.09mにします。
- Instance on PointsノードはScaleを0.3にします。
縫い目の方向を変える
Instance on PointsのRotation入力ソケットにAlign Rotation to Vectorを2つつなぎます。
直につないでるAlign Rotation to VectorはYに設定して、Vector入力ソケットにはNormalノードをつなぐ
遠くにつないでるAlign Rotation to VectorはXに設定して、Vector入力ソケットにはCurve Tangentノードをつなぐ
これで縫い目が正しい方向に並びました。
縫い目の大きさを調整したい人は
Instance on PointsのScaleが縫い目の大きさ、
Resample CurveのLength数値が間隔の長さになります。

UV展開
ヘアーカーブをつけるメッシュにはUVがないといけないので、UV展開します。
シームを入れる
目立たないよう、身体の側面にシームを入れます。側面の1辺を選んでAltで一周選択します。
右クリックでメニューを出してMark Seamをクリックしてシームを入れます。
他にも耳、しっぽ、口元にも入れます。目や鼻は毛を植えないのでいりません。

UV展開
身体と、口元パーツを選択してUV Editingの画面に移ります。そこでAで全選択をしてUでUV展開メニューを開きます。
今回はUnwrap ConformalというモードでUV展開します。

モデルが完成!
クマのぬいぐるみの形が完成しました!
次回はいよいよファーをつけていきます。

この記事のシリーズ
続きの記事:シリーズ第2回目
シリーズ第3回目
シリーズ第4回目




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