Blenderでよく使われるモディファイアのひとつに、Solidifyモディファイアがあります。
このモディファイアを使えば、面に簡単に厚みをつけられるため、壁やコップなどのモデリングで非常に便利です。
また、アウトラインを作ったり、一回り大きいオブジェクトを作ったりする際にも活躍します。
しかし、面の方向や厚みの仕組みを理解していないと、思った通りに使えないこともあります。
この記事では、Solidifyモディファイアの基本から応用まで、使いこなすために知っておくべきポイントを詳しくまとめました。
「使っているけど細かい挙動はよくわからない」という方に特に参考になるといいなと思ってまとめた内容です。
この記事は、BlenderのSolidifyモディファイアを解説した初心者~中級者向けの記事です。
難易度
Solidifyモディファイアとは

Solidify(ソリッド化)モディファイアーは、平面や薄いメッシュに厚みをつけて立体化する機能です。
左図はSolidifyで厚みをつけたときの断面図のイメージ(断面のオブジェクトを作成しSolidifyを適用)です。
外側、内側のシェル(殻)が作成され、厚みがつきます。

例えば、壁やコップ、板状のオブジェクトなどに簡単に厚みを加えることができ、アウトライン作りや一回り大きい形を作るのにも便利です。
Solidifyモディファイアのパラメータ

大きく分けて以下の6つのセクションにわけ解説していきます。
- 基本(上部のMode~Vertex Groupまで)
- Normals(法線、ノーマル)
- Materials(マテリアル)
- EdgeData(辺データ)
- Thickness Clamp
- Output Vertex Groups
よく使うのは❶基本・❷Normals・❸Materialsなので最低限この3つのセクションを見て頂ければ大体モディファイア使用で困ることはないんじゃないかと思います。
❶基本
Mode(モード)
シンプルな形状を押し出すSimpleと、複雑な形状に対応するComplexという2つのモードがあります。
Simple(シンプル)
- メッシュを単純に法線方向に押し出して厚みを作ります。
- 軽くて速いが複雑な形状はきれいな厚みが作れません。
Complex(複雑)
- どんな形状でも正しく厚みを作れるように設計されたアルゴリズムです。
- メビウスの帯やクラインの壺、複雑な建築壁(一つの辺に3つ以上の面がつながっている)など、Simple では処理できない形状にも対応します。厳密に処理するため 計算が重く遅くなる場合があります。
- 厚み付けのモードも複数ある(今回は触れません)


画像でも分かる通り、家の壁など、1辺に3つ以上の面がついている場合などはComplexモードで厚みをつけると綺麗にできます。
Thickness(厚み)、Offset

左図の光っている線が元のメッシュの線、青い線がメッシュの法線です。
Thickness(厚み)…ソリッド化で厚みをつける厚さを調整します。
Offset…厚みをつける方向を決めます(+1なら法線方向、-1なら法線の逆方向)
厚さの方向はThicknessとOffsetの±の組み合わせで違ってきます。
- Offsetが+1、Thicknessが+だと法線方向に厚みがつく
- Offsetが+1、Thicknessが–だと法線の逆方向に厚みがつく
- Offsetが-1、Thicknessが+だと法線の逆方向に厚みがつく
- Offsetが-1、Thicknessが–だと法線方向に厚みがつく
- Offsetが0の場合は境を中心として厚みがつきます。
勘違いしやすいポイントだと思うんですがThicknessやOffsetがー(マイナス)でも、内側の殻、外側の殻が入れ替わることはありません。膨らむか縮むか、が変わります。法線の方向が変わったときに内側と外側が入れ替わります。
作成された殻は、元のメッシュの法線がどちらだろうと関係なく、外側が表面になります。Solidifyの機能であるNormalの Flipでその向きを反転させることができます。
Even thickness

鋭い角度の厚さを均一にしてくれます。
品質が向上しますが、計算時間が長くなることもあります。
Rim(フチ)

Rimはフチ(厚みの側面)です。
Fillにチェックを入れると、フチ部分が覆われます。(FillはデフォルトでONになっているのでフチが最初からついている状態になります。)
Only Rimにチェックをいれると、フチが出来ますが、内側の面はなくなります。(モードがSimpleの場合)
※Rimは閉じていないオブジェクトにしか作成されません。
Vertex Group(頂点グループ)

Vertex Group(頂点グループ)
- 選択した頂点グループのウェイトが Thickness に乗算されます。
- ウェイトが小さい→厚みが薄くなる。
- ウェイトが乗ってない部分はゼロとして扱われる
Factor(係数)
頂点のウェイトがどの程度考慮されるか。
- 0.0の場合、ウェイトがゼロ→厚み0
- 0.5の場合、ウェイトがゼロ→厚み半分
- 1.0の場合、ウェイトは無視され、すべての頂点に Thickness の値が使用される。
この機能を利用し、狙った場所に強弱のあるアウトラインを作ることができます。
❷Normals(法線、ノーマル)
Flip

殻の法線を反転します。
殻の法線を反転するとSolidifyは内側の殻を外側に、外側の殻を内側にします。

反転すると左図のように裏面が外側を向くようになります。(彩度高い赤が裏面です)
High Quality

角度が急な箇所や、ベベルしたところなど、形がおかしくなってしまった箇所を修正してくれます。
品質が向上しますが、時間がかかるようになることもあります。
❸Materials(マテリアル)

- Material Offset…内側の面のマテリアル
- Rim…フチのマテリアル
番号は、マテリアルプロパティのマテリアルの並び順です。
❹EdgeData(辺データ)
ソリッド化したオブジェクトにサブディビジョンサーフェスやベベルモディファイアをつけるときの調整ができるパラメータです。
Crease

サブディビジョンサーフェスモディファイアをつけるときに使います。
クリースの値を入れると、形が変わらなくなります。
※Rimがないと変化がありません。
Bevel Convex

ソリッド化した外側のジオメトリにベベルモディファイアをつけるときに使います。
- -1だとベベルが効きません
- +1でベベルが効くウェイトが乗ります。
ベベルモディファイアのLimit MethodをWeightにする必要があります。
※見た目がおかしくなるのでAuto Smoothをかけています
❺Thickness Clamp(厚さ制限)

Clamp(範囲制限)
厚みが大きすぎて自己交差を避けるためにオフセットを制限する(0から2)の値。量は、隣接する最も短い辺の長さによって決まる。
Angle Clamp(角度で制限)
有効にすると、クランプは長さだけでなく、ジオメトリの角度も考慮するようになります。
❻Output Vertex Groups

ソリッド化によって作成されたOffset(内側の殻)とRim(フチ)の頂点グループを作成します。
オブジェクトデータプロパティのVertex Groupsで内側の殻、フチ用の空の頂点グループを作成します。それをSolidifyモディファイアのOutput Vertex GroupsのShell(内側の殻)、Rim(フチ)にセットします。
すると、左図のように、ウェイトペイントモードで頂点グループを見るとウェイトがついていることがわかります。
この頂点グループを使って、他のモディファイアを使って形状変化などをするとき、影響コントロールができます。
まとめ
自分は長い間 Solidify(ソリッド化)は単純に面を押し出すモディファイアだと誤解していました。アウトラインを Solidify で表現するとはどういうことなのか気になって調べてみたところ、実際には「外側と内側に殻を作り、その間をフチでつなぐ」という仕組みで厚みを表現していることがわかりました。
Solidify モディファイアは、元のメッシュを基準に外側・内側のシェル(殻)を生成し、それらを Rim(ふち)でつないで立体的な厚みを作ります。さらに、生成されたメッシュを調整しやすいように、クリースや頂点グループ出力などのパラメータも用意されています。
このため、Solidify で厚みをつけた形状に対してベベルやサブディビジョンサーフェスを組み合わせて使うと、きれいに調整されたモデルを作ることができます。
モデリングでSolidifyを使ってキレイな形状を作成する場合に、利用できる機能やパラメータなどありますので参考にしていただければと思います。



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