以前Multiresolutionモディファイアの基礎的な使い方の記事を書きました。
今回は続きというか、応用で、Multiresを使ってキャラクターのズボンを作ってベイクしてみようと思います。自分なりのやり方なのでこれが正解というわけでは全くないですが、やってみたという感じです。
この記事は、BlenderのMultiresolution(マルチレゾリューション)モディファイアを使ってズボン(服のしわ)作成について書いた中級者向けの記事です。
難易度
Multiresolutionモディファイア基礎↓
ズボン作成手順
- Mutiresolution準備
- ズボンのしわ(形、流れ)をスカルプトで作る
- ベイク
- スカルプト修正・再ベイク
- 完成
①Multiresolution準備
オブジェクト準備
まず、身体を作ったらコピーして下半身だけ切り離します。(パーツごとに切り離して作業する人もいるし、全部つながったまま作業する人もいます。作業しやすい方法でやってください。)

モディファイア設定
Multiresolutionモディファイアをつけます。
あんまり分割すると重くて動かなくなったので、適度に割ってください。いつでも割れるので、低いレベルからでいいのかもしれない…。
スカルプトエディタで作業する前に、Sculpt Base Meshにチェックを忘れないでください。(これで分割0レベルのローポリも同変形されます。)

②ズボンのしわ(形、流れ)をスカルプトで作る
形を作る
ズボンの形になるようにスカルプトのGrab Silhouetteっていうブラシで形を作っていきます。

(今回自分は悟空が履いてるようなしわがだぼだぼの緩いズボンを作ってます。)

大きいしわを作る
細部ではなく、大きいしわを作ります。大きなしわの流れがわかるような感じでDrawブラシでしわを描いていきます(Ctrl押しながらだと凹みます)
しわが溜まる部分から、直線的だったり曲線的だったりするしわが伸びたりする部分
関節部分とか、しわが溜まる部分でしわが折り重なるような部分など作っていきます。


ぼかす
あとりあえず適当に描いて、やりすぎたな、とかめちゃくちゃになってきたな、と思ったら、Smoothブラシで全体的にぼかしたり、いらないしわをぼかして消していきます。

細かいしわは、Draw Sharp とかCrease Sharpなど(青線で囲んだブラシ)を使ってキワをくっきりさせたり、細いしわなどを入れていきます


あとは描いてぼかしての繰り返しです。
最終形態。結構しわを過剰なぐらい入れてみました。


※ちなみに4段階まで分割してスカルプトしてたら全然重くて動かなくなったので途中で3までにしてDeleate Higherボタンでレベル4でスカルプトした内容を捨てました。どのくらいの細かさのメッシュから始めるかに拠りますが、あまり分割しすぎない方が良さそうです。
③ベイク
レイアウト画面でMultiresolutionモディファイアのLevels Viewportを0にします。ローポリの形がすでに作成されているので、Sculptのレベルを一番高くしておきます。

UV展開
シームをつけてUV展開します。


④スカルプト修正
ベイクしてマテリアル画面で見てみたときに、ちょっとしわの形がいやだな、とか、下のメッシュがでてきてしまってる部分があったので修正することにしました。
Multiresolutionモディファイア使ってる場合は即スカルプト画面にいって修正できるのでめちゃくちゃ楽です。とても快適に修正できます。ベイクし直すのもすぐできます。

⑤完成
何回か修正して完成。
このくらい複雑にしわを作っちゃうと、ローポリのメッシュを作るのも大変だし、やり直しも回数が重なると大変ですが、Multiresモディファイア使うとかなり楽にできることがわかりました。
0レベルでローポリすぎて外形がカクカクするなーっていう場合は1に上げるとか、レンダリングのときは3に上げるなどすればローポリで作業してるけど表示は高画質にすることも可能です。


まとめ
今回初めてMultireslutionを使ってスカルプトしてみましたが、ベイク作業がほんとに楽にできます。ローポリ作らなくていいのが最高です。
最初ローポリで作ろうと思ったんですが、リトポロジーを途中で断念してDecimateなど使ったり時間かけて結局やめました。(途中でMultiresolutionモディファイアにベースのメッシュも変形させる機能があることに気づいた…)
リトポ嫌いだなー、めんどい、という方にはかなりオススメです。あとスカルプトと再ベイクもすぐできて修正もすごく楽です。