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Blender入門:Blenderについて

blender

Blenderを使ったことがない人や、使ってるけどそういえばよく知らないという方のために、Blenderマニュアルから入門のページを自分の主観をまじえてまとめてみました。

Blenderの歴史、開発者、Blender Studioについて触れています。

レンダリングなどのページを調べようと思ったんだけど寄り道して読んでみたら、自分もよくわかってなかったことや、Blenderの理念、オープンソース化までの道筋がよくわかっておもしろかったです。雑学として、また、知識として知るとBlenderをきっともっと好きになるはず。

3DCGをやってみようか迷ってる方にもBlenderの機能、理念などを知ってもらい、手軽にやってみてほしいです。

主な出典・参照 blender.org / Blender4.4 Manulal

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Blenderとは?

Blenderは、無料で使えるオープンソースの3D制作ソフトです。

モデリング、リギング(骨組み作成)、アニメーション、シミュレーション、レンダリング(画像や動画の出力)、コンポジット(画像合成)、モーショントラッキング、そして動画編集まで、3D制作に必要なすべての工程をカバーしています。

BlenderはOpenGL(GPUを使って描画処理を行うための仕組み(API))という技術を使っており、Linux、macOS、Windowsといった主要なOSで一貫した操作環境を提供します。

世界中のプロ、アマチュア、スタジオがアニメーション、ゲームアセット、モーショングラフィックス、テレビ番組、コンセプトアート、ストーリーボード、コマーシャル、長編映画の制作に使用しています。

こんな凄いソフトが無料、オープンソースって凄いですよね…。ありがたや…。

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Blenderは簡単?難しい?

Blender は幅広い機能があり、最初に基本を学ぼうとする際は手ごわく感じるかもしれません。しかし、ほんの少しのモチベと適切な教材(自分はYoutubeのチュートリアルがオススメです)を用いることで、数時間程の練習後には Blender に慣れ親しむ事ができます。

Blenderマニュアルにもあるとおり、Blenderはツールに過ぎず、より複雑で高度な作品を作るためには、ソフトの使い方だけでなく、人体解剖学、立体構造、ライティング、アニメーションの原則等を学んで訓練する必要がありますね。

それは他のソフトでも同じことです。なので結局何かを作ろうと思えば全て険しい道だと思います…。でもBlenderはそういう険しい道の入り口としてかなり優しく舗装してくれてる方だと感じます。

よく自分がサムネとかにも使ってる画像

例えば上の机とイスは↓のチュートリアル動画を見ながら最初に作ったものです。

このくらいシンプルなものなら初日の短時間で完成させることができます。それにBlenderには初心者に優しく教えてくれるチュートリアルが豊富なので、3DCGを始めるならBlenderという選択はオススメです!

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Blenderを作った人

Blenderは、オランダのアートディレクターで独学のソフトウェア開発者であるルーセンダール(Ton Roosendaal)によって作られました。ルーセンダールは、1989年に自身の3Dアニメーションスタジオ、ネオジオを立ち上げ(同名のビデオゲーム機が出たけど関係ナシ)。当初はルーセンダールの屋根裏部屋を拠点としていたが、ネオジオは急成長を遂げオランダ最大(同業種内で)の会社となりました。

ルーセンダールは1994年1月2日に “Blender “というタイトルの最初のソースファイルを書きました。当初、Blenderはネオジオの社内アプリケーションとして計画されていて、名前はスイスのエレクトロニック・バンド、Yelloの曲「Blender」にちなんでいます。

自分はこのバンドを知らなかったので聴いてみましたが、何曲か視聴してみると、皮肉的なユーモアを感じる、かなり独自性の高いバンドだと感じました。オープンソースで誰にでも開かれたBlenderっぽいといえばぽいかな…?コメントなどには「Blenderユーザーの国歌にすべき」みたいな意見があって面白いですね。

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オープンソース化への道

当時はハードも非力だしポリゴンもしょぼく、3Dより2Dの方がリッチな表現に見えて、3Dにはあまり需要がありませんでした。しかし、ルーセンダールは、 “コンピュータの中に世界全体を作り出す魔法のような能力 “に惚れ込んでいて、ネオジオ閉鎖後も、彼とパートナーのフランク・ファン・ビークで、Blenderのさらなる開発とマーケティングに焦点を当てた新会社Not a Number (NaN)を設立しました。1998年6月にオープンし、フリーミアム価格(ソフトウェアは無料で提供し、高度な機能は有料)でBlenderを配布しました。

このビジネスモデルは成功しBlenderは2回の資金調達を受けるも、厳しい経済情勢、過剰な支出、投資家との関係悪化により、NaNは2002年初めに閉鎖。Blenderの開発は停止。

NaNの後援者から権利を買い取ることができなかったルーセンダールは2002年5月、Blenderをオープンソースにするため非営利団体Blender Foundationを立ち上げ。Blenderのコミュニティ25万ユーザーのおかげで、Blender Foundationはわずか7週間で10万ユーロを集めることができました。

Blenderのライセンスについて

2002年10月13日(日)、BlenderはGNU(GNU General Public License)という最も厳格なオープンソース契約の下でリリースされました。Blenderソースコードは永遠にフリーで、いかなる目的にも使用できるようになりました。

Blenderの進化は、部分的には助成金を受けた開発者によって推進され、アムステルダムのBlender Foundationのコアチームによって導かれていますが、最大の強みは、世界中にいる熱心なボランティアコミュニティの存在です。彼らの尽力によって、Blenderは素早いアップデートが可能となり、アーティストや制作者のニーズに柔軟に対応することができています。

Blenderで作ったもの

.blend ファイルは、Blenderの出力であり、「ユーザー自身の著作物」として扱われます。Blenderで作られた作品はあなたの著作物となるので販売・配布・著作権主張なども自由です。

アドオンは…?

Blenderの bpy などの Python API を使って作ったスクリプトアドオン公開・配布する場合、そのコードもGPLライセンスに従う必要があります。販売してもいいけど、再配布する自由もついているんですね。

ライセンスに関してFAQのページがあります↓

何か販売しようって考えてる人は各自でちゃんと調べてくださいね。

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Blender Studio

映像制作を通じてBlenderの限界を試すため、Blender Foundationはコミュニティで最も才能のあるアーティストたちに3D短編アニメーションの制作を依頼し、2007年夏にBlender Instituteが設立されました。今のBlender Studioのサービスの母体です。

Blender Studioのサイトでは今まで作った3D短編アニメーションが見れたり、メイキングや舞台裏の動画も見れます。キャラクターやポスターの作り方等、様々な特典がコンテンツとして用意されています。

自分にとってはBlenderのアニメといえばこの巨漢なウサギですかね。もふもふ。

Blender使えばこんなことできるぜ!っていうアピールでもあるので、自分のしたい表現ができるか視聴してみると良いと思います。

最近は2Dっぽい表現も人気ですね。グリースペンシルも機能が増えてきたので素敵な作品を作ってる方たくさんいて凄いです…。

トレーニング

有料の会員登録をすれば、アニメーションなどのトレーニングコンテンツを利用できるようです。以下の画像はBlender Studioサイトのトレーニングセクションのスクリーンショットです。

プロジェクトのサポートも募集しているようなので支援したい作品があればサポートすると、制作途中のプロセスをのぞけるチャンスがあったりするらしい。

モデル

これはキャラクターセクションのスクリーンショットです。会員登録が必要なものもありますが、フリーでダウンロードできるモデルなどもあります。リギングや表情の作り方の参考にとてもいい教材になります。(ちなみにアセットとか、人体のモデルなどもBlenderの公式サイト(blender.org)の方であった気がします)

Blenderは単なるソフトじゃなくて、「作って・使って・公開して・また進化させる」という循環がちゃんと回ってる、珍しい存在です。

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Blender のコミュニティ

右図は公式サイトblender.orgに乗ってたコミュニティ一覧の一部です。

オープンソースということもあり、たくさんのユーザーがコミュニティを作っています。

チュートリアルなど創作の刺激になったり、技術的問題の解決の助けになります。

最大のコミュニティフォーラム Blender Artists

作品を披露したり、Blenderに関する質問などが集まる掲示板みたいなところ。結構すぐ返事が返ってくるし、詳しい情報が得られます。

自分は技術的な問題でつまづいたときに、よくこのようなコミュニティのページを閲覧しています。初めて質問するときは緊張しましたね。英語だし。でもみんな優しいです。

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Blenderの未来

Blenderの組織は全部で約28人ほどで、アムステルダムからのリモートや、助成金ベースで働いています。Blenderにとってこのチームは、「Blenderの開発に貢献している人、Blenderで生計を立てている人、単にダウンロードしている人など、Blenderが定義するもっと広いコミュニティのほんの一部に過ぎません」と言ってくれています。

Blenderのミッションは、ひとことで言えば:

「世界最高の3D技術を、オープンソースとしてアーティストたちの手に届け、それで素晴らしいものを生み出すこと。」

今後、Blenderは、オープンソースの理念、好奇心と革新という価値観、卓越した技術へのコミットメント、そしてますます野心的な創造的目標を推進することに専心し、持続可能で将来性のある組織になることを望んでいます。とのこと。

たくさんのクリエイターに門戸を開いているBlenderの理念、素晴らしいです。たくさんの人が関わることで技術の進化スピードも速く、クオリティの高い表現をたくさんの人々に届けることができているんですね…!!。

また、Blenderは開発サポートのため寄付を募集しています。サブスクや一回からの寄付もできますので余裕のある方はぜひ。

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まとめ

自分はBlenderを使ってまだ3年経ってないくらいなんですけど、毎回バージョンアップするごとに、「すごいなぁ」と感心しきっております。ほんとに始めたころは右も左もわからず、なんかわからんけど無料だしインストールしてみるか、みたいな軽い気持ちで始めました。

それでもここまで学習を進めることができ、飽きずにBlenderを続けることができたのは、やはり高品質なチュートリアルの数の多さでした。初心者の頃はほんとにチュートリアルの動画にかなり救われました。慣れてくると今度は技術的な記事を読み漁ったりしていましたが、(今でもですが)やはり無料のオープンソースのソフトだからか、「こんなことできるよ!!」って教えてくれる人がめちゃくちゃ多いと感じています。

自分で作りたいものが作れるのも最高なんですけど、最近は3DCG創作を通して、物の材質とか、光の特性とか、シェーダーをいじるときに出てくる数学の面白さにもかなり惹かれています。いろんなことが学べて本当に楽しい!

今後Blenderがどういう進化を遂げるかわからないですが、自分も勉強していくと同時にわかりやすく解説記事を書いていくことを頑張っていきたいです。