以前Blenderのビデオ編集エディタでマスクの作成と加工などの記事をかきました。
その応用で、マスクをアニメーションさせる、マスクを利用したアニメーションについての解説記事です。今回もビデオ編集エディタでの使い方です。(CompositeやVFXには触れていません。)
今回主に解説しているのは
- マスクをアニメに追従させる
- マスクを使ったテキストアニメーション
- マスクを使ってオリジナルのワイプを作る方法
です。
この記事は、Blenderのビデオ編集エディタでマスクの作成と加工の使い方について解説した中級者向けの記事です。
難易度
今回、マスクの基本的な使い方については触れませんので、基本的な使い方がわからないよと言う方は下の記事を参考にしてみてください↓
マスクをアニメに追従させる
例えばムービーの一部分にだけぼかしやグロウなどの効果を出したいとします。
一部分にマスクを適用させていますが、

アニメーションが進むとマスクの場所がどんどんずれていきます。

マスクもアニメーションに追従するよう、マスク自体をアニメーションさせる必要があります。
追従アニメを作る
Maskingのエディタに移ります。

アニメーションさせたいマスク、マスクレイヤーを選択します。
上にドープシートがありますので、動画を見て合わせながらマスク位置をキーフレームで打っていきます。
A…マスクのポイントを全選択
G …移動
S …拡大縮小
R …回転
場所が決まったら Iでキーフレームを打ちます。

マスクをかけたい終了部分にまでフレームを移動して、マスクを変形させてキーフレームを打ちます。
キーフレームの間でずれてるところがあればキーを打っていきます
マスクのアニメにグラフエディターは使えないので、場所がずれたらキーフレームを打っていくしかないです。
動画編集だとモザイク・ぼかしなど必須のスキルなので、必ずできるようになっておきたい機能です。
VFXなどでトラッキングを利用するともっと複雑に動くアニメにも対応できるのかもしれませんが、今は触れません。
マスクを利用したテキストアニメーション
テキストをバラバラにしてアニメーション
テキストを横長のカラーストリップの形にマスクして、三行のブロックにスライスします。
(※カラーストリップが見えやすいように半透明にしていますが、最終的には100%透明にしてください)


あとはテキストを好きなようにアニメーションさせてキーフレームを打ちます。
左画像では上下ブロックが右から、真ん中ブロックが左から移動してくるようにアニメーションさせました(Locationで移動させていますが、Transformでも大丈夫だと思う)
右ができあがりのテキストアニメーション。
Compositeとかで頑張らないとできないと思ってたテキストアニメーションも、マスクを使うと出来ちゃったりします。
これらを応用すればおしゃれなワイプとかもできそうですね。
マスクでオリジナルワイプを作る

マスクを使ってオリジナルのワイプを作ることもできます。
Blenderには大きく4つのワイプがデフォルトでついていますが、マスクで動画を好きなように編集して自分で作成することも可能です。
作り方はテキストアニメーションのときとほぼ同じです。
❶まずワイプしたい動画を複製し、カラーストリップをそれぞれマスクに設定しておきます。
(カラーストリップは透明にしといてください)

❷カラーストリップの位置合わせは、TransformのPosition数値を使うより、Originの相対的な比を使う方が便利なときもあります。
今回は左と右に真ん中に分けて切り抜き、上下から合わさるようなワイプを作りますので、
横幅半分にして、左と右にそれぞれカラーストリップの位置を合わせておきます。

❸あとは、バラバラにした動画を好きなようにアニメーションさせます。
今回は左ブロックを上から、右ブロックを下から動かすアニメーションを作りました。

完成したワイプがこちらです。
まとめ
マスクを使うと一気に表現の幅が広がります。
基本的なモザイク・ぼかし処理から、複雑なテキストアニメーションまで、マスクを使うと簡単に実装できますので、ぜひ使ってみてください。