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【Blender4.4】新・Rigify理解したい:基礎

blender

Blenderには、デフォルトでついてるものすごい性能のいいリグ生成してくれるアドオンがついています。それがRigifyなんですけど、バージョンを重ねるにつれ、かなり性能もレベルアップしているようです。

昔Rigifyの記事を書いたり、Rigify使ってたことあるんですけど、さすがに情報が古くなっているので新しいRigifyについての使い方、機能を書いていこうと思います。今回最新のBlender4.4でRigifyを使っていきます。

とりあえず今回はめちゃくちゃ基礎的な使い方を解説していきます。

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Rigifyを使う準備

Rigifyを使う準備として2つやることがあります。

  • Rigify アドオンを入れる。
  • 人体オブジェクトを用意する。

今回は簡単な人体を用意して、それにRigifyを適用していこうと思います。(※顔や指など細かいパーツはありません。)

Rigifyのアドオンを入れる

Shift + Aで出てくるメニューのArmatureの中にRigify Meta-Rigsがないという方は、

Edit > Prefrerences

を開いて

Add-onsタブの中でrigifyと検索して、Rigifyのアドオンにチェックをしておいてください。

こうするとRigifyがメニューに現れて使えるようになります。

今回使用するのはBasic Humanというリグです。

Rigify Meta-Rigsの紹介

せっかくなので紹介すると、Rigifyで作れるリグは8種類あります。

Human…顔や指などついた人型のリグ

Basic Human…顔や指などがない人型のリグ

Basic Quadruped…顔、指がない四足歩行型のリグ

Animals

Bird…鳥型リグ

Cat…猫型リグ

Horse…馬型リグ

Shark…サメ型リグ

Wolf…オオカミ型リグ

こんなに幅広くいろんな動物のリグが簡単に作れるメタリグのセットが用意されていて、ほんとに凄いなと思います。少し使い方を触ってみた程度ですが、やっぱり自分で作るよりも全然細かい調整ができたりいろんな機能が入っているので使えるようになるといいですよね。

ちなみに、この画像の中にあるのは、正確にはメタリグです。まだリグではないです。リグを生成してくれるリグの素みたいなやつです。

人体オブジェクトを用意する

動かしたい簡易な人型のオブジェクトを用意します。(身長はこの時点で決めておきましょう。Rigifyの身長は1.98mですが、でかいので、好きな身長にしてRigifyをあとから縮小します。)

注意するポイント

  • ある程度ポリゴンを割る
    • めんどくさがってほぼ直方体みたいなポリゴンを作ると、手足が曲がりません。
  • 面がひっくり返ってないか確認する
    • 面の法線の向きがひっくり返ってないか確認しておきます。あらゆるバグの元なので。(面の向きがわからない方は以下の記事を参考にどうぞ)
  • 原点を足元に置いておこう
    • 人体リグを組むときは足元に原点をおいた方が後々扱いやすいので人体の足が地面に設置するところで、真ん中、ワールド中心に原点が来るように調整しましょう
  • 全トランスフォームしておこう
    • ScaleとかRotationとかが残っているとこれもあらゆるバグの元になるのでTransformの項目に数値をなるべく残さないようにしましょう。(オブジェクト選択してCtrl + A
  • ミラーモディファイアは適用しておこう
    • 以下に理由を書いておきます

ミラーモディファイアをつけると起こること

なんでミラーモディファイアを適用しろって言うかというと、モディファイアのつける順番によっては、きちんとリグが動かなくなるからです。

詳しく言うと、Armatureモディファイアがミラーモディファイアより上にあるとき、片方のリグしか動かしてないのに、もう片方の手も動いてしまいます。

じゃあ下にモディファイアを置いとけばいいじゃないかと思うかもしれませんけど、他にもサブディビジョンとかつけてると、なるべくArmatureモディファイアって上に置いといた方がいいんですよね。そういう順番がややこしくなったりするので、完璧にコントロールできる、っていう人以外はやめた方がいいんじゃないかなって思います。

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Rigifyをオブジェクトにセットする

Shift + Aでメニューを出し、

Armature > Rigify Meta-Rigs > Basic > Basic Human

を出します。

Object Data Propertyという人が走ってるようなアイコンのメニューの中にViewport Displayという箇所があるので、In Frontにチェックをいれます。

こうすることで、さっき出したRigifyのメタリグが身体の中に埋まってても見えるようになり、作業がしやすくなります。

メタリグを身体の大きさに合わせる

オブジェクトモードでメタリグを選択し、人体に大体合うようなところに拡縮します。

※全然どこも合わないって方は頭の上の方にメタリグの丸い頂点が重なるくらいに合わせておいてください。

ScaleのトランスフォームがはいってしまったのでCtrl + AでScaleを適用しておいてください

トランスフォームを適用するって何?

画面の右上のところにTransformっていうメニューがあります。オブジェクトモードで回転や移動、スケールをするとここに数値が入ります。(編集モードで作業すると変化しません)

ここをデフォルトの
Location XYZ…0
Rotation XYZ…0
Scale XYZ…1
にするために、Ctrl + Aで適用させます。この中のAll Transformを押せば全部がデフォルトの値に直るので、それを「全トランスフォームする」などと言われてます。

足、手を合わせる

今度は、足、手などにボーンを合わせていきます。

〇必ず編集モードで作業してください。
〇右上のミラーのアイコンの右にXってかいてある部分をクリックして青く選択された状態にしてください。(これで左右どちらかのボーンを動かすと両方のボーンが動くようになります。)

細かくどこに合わせるか知りたい方は以下のリンク先にガイドがあります。

ボーンを動かすコツ

ボーンの間の丸いところを全体を囲うように選択して動かすと、それぞれのボーンがバラバラになる危険がなくていいです。

くっついているボーンが離れてしまうとリグの生成に失敗することがあるので気をつけてください。

足は大体左図のように合わせます。まず真正面から見て

股間、太ももの付け根、ひざ、足首

などの場所にメタリグを合わせてください。

次に横からも見て場所を合わせてください。

足先やかかとに小さいリグがきています。

ひざの部分は、メタリグは少し前に「く」のような形に曲がっている必要があるので膝の部分は真ん中というより少し前の方に合わせておくといいと思います

手もまず真正面から見て、

肩(腕の付け根)、ひじ、手首、指先

などにメタリグを合わせてください。

上から見たところ。

手の場合はひじの部分が少し後ろに折れてるようにメタリグを配置してください。

胴体部分を揃える

胴体部分は難しいのでまず横から合わせます。

腕のメタリグが邪魔な場合は、選択してHで隠せます。Alt +Hでまた表示できます

首の近辺にボーンが集中しててややこしいです。胸のところにある乳首のボーンは必要ないなら削除しても大丈夫です。

次に正面から見て位置を合わせます。

中心を走っているボーンは、中心から離れないようにしてください。もし左右にぶれてしまったら、TransformのXの値を0にして中心に戻してください。

わかりにくいよって方は以下のページにものすごくわかりやすい公式の図がありますので見に行ってください。

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Rigifyでリグを生成する

ボーンの位置の調整ができたら

ボーンの位置の調整ができたらリグを生成します。

メタリグを選択して、右のメニューのobject data propertyRigifyのセクションの中のGenerate Rigを押します。

すると、ワイヤーフレームで作られたリグが生成されます。

画面がごちゃごちゃしているので、今までかまっていたメタリグは右の目のアイコンを閉じて非表示にしといた方がいいです。(またリグを再生成するときに使えるので消さずにおいといてください)

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リグとオブジェクトを関連づける

リグはできましたが、まだオブジェクトと関連づけてないので、リグを動かしても人体は動きません。

関連づけるには、

  • オブジェクトを選択
  • リグを選択

してからCtrl + Pを押してペアレントのメニューを出して

Armature Deform > With Automatic Weights

を選択します。

オブジェクトを選択してからリグを選択する順番を間違ってはいけません。正しい順番で選択すると、オブジェクトが赤く選択されて、リグがオレンジ色になります。

この関連付け作業では、オブジェクトとリグのペアレント、ウェイトペイント、モディファイア付けなど全て自動で行ってくれています。自分の思ったとおりに人体が動かないと思ったとき、手動でウェイトペイントを修正することになりますが、ここでは触れません。

できたら、リグを選択してPose Modeに移動します。

リグを動かして人体モデルを動かしたい場合はPose Modeで作業します。

これでリグを動かすと人体が動くようになります。

最初の設定ではIKリグが動くようになっているので、赤、黄色、オレンジのリグしか動かないと思います。(緑のリグはまだ動きません)

普通にオブジェクトを動かすときと同じように、Gで移動、Rで回転です。

それぞれのリグがどのように動くかは、移動させたり回転させたりしながら探ってみてください。

動かしたリグを元に戻すとき

ポーズモードでAを押してリグを全選択し、上部メニュー

Pose > Clear Transform > All

で全ての変形をクリアして元に戻すことができます。

基本的な操作は以上です。この先はIK、FKの切り替えなど、リグの詳細な機能に踏み込んでいきます。

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リグの操作パネルとIK FKの切り替え

リグを生成すると、リグのプロパティの操作パネルが出現します。そこでIK,FKの切り替えなどができます。

IK,FKとは?

IK(インバースキネマティクス)は、「手を動かしたら腕全体がついてくる」動かし方。キャラクターが地面に手をつく動きとかに便利。

FK(フォワードキネマティクス)は、「肩 → 肘 → 手」と順番に回して動かす方法。自然なポーズづくりに向いてる。

IK=目的の位置に手足を置く感じ
FK=関節を回して動きを作る感じです!

リグの操作パネル

リグの操作パネルは

  • Rig Main Properties
    • IK,FK切り替え・ストレッチその他切り替え
  • Rig Layers
    • リグの表示・非表示

の二つがあります。

例えば左の図では、Rig LayersでFKのリグを非表示にしているので、緑のリグが消えています

IK, FKの切り替え

手や足のリグを選択し、Rig Main PropertiesのIK-FKの値を0~1に変更することで、IK,FKの切り替えができます。

0がIK
1がFK

さらに、このマグネットのアイコンがついてるボタンを押すと、IKとFKのリグが離れてしまったときに、同じ位置に移動させることができます。

例えば、壁に手をついて身体を動かすような演技をしていたときに、そこから自然に腕から動かすような演技もさせることができます。IKとFKの境目がすごく自然になりますよね。素晴らしい機能があるなぁと思いました。

あとはストレッチの切り替えもあります。

Stretchの値を1にするとゴム人間みたいに人体が伸びるようになります。

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まとめ

こんなに簡単に性能のいいリグを組み立ててくれるRigifyやっぱり素晴らしかった…。フリーのアドオンでここまでやってくれますからね。さらに表情とか指とかもついたものもあるのでまたいつか使ってみたいなと思います。

ちゃんと使いこなせば、服や髪の毛揺れも多分追加できるので自分の好きなようにキャラクターが動かせるようになるはずです。