この記事では、Blenderを使って透過背景の文字素材(PNG画像など)を作成する方法を解説します。テキストオブジェクトを利用し、シェーダーや設定を調整することで、背景を透明にした文字の画像を書き出すことができます。結果的に、最もシンプルで柔軟な方法として「ビューポートレンダリング」を活用するのが便利です。この記事を読めば、Blenderで手軽に文字素材を作る方法がわかります。
この記事は、Blenderの透過背景の文字素材(PNG画像など)の作り方について詳しく知りたい初級者向けの記事です。
難易度
なぜ透過画像を素材として作る必要があるのか?
Blenderで3Dモデルを作るだけでなく、文字を使った映像演出をしたい場面もあります。例えば、グリッチエフェクトを加えて動きをつけたり、コンポジットで映像に合成したりするときに、透過された文字素材があると便利です。文字だけでなく、何らかの画像素材が欲しい時は頻繁にありますので、なるだけ手軽に作れると良いです。
Blenderで文字の素材を作る方法
テキストオブジェクトではなく平面画像としての文字が欲しい場合、普通はムラのない均一に色が乗った画像が欲しいときが多いです。
しかし普通にライトが当たっているとテキストオブジェクトに色のグラデーションが出来るので、ライトは設定せず色面そのままの画像をレンダリングする必要があります。

Solidの画面で欲しい文字を作成する。カメラに映し、マテリアルはViewportDisplayで色を設定する。
SolidのViewPort ShadingでLightingをFlatにすると、オブジェクトに影やシェーディング(明るさの変化)を適用せず、純粋なマテリアルの色を均一に表示できます。
※背景を透過させたい場合はレンダープロパティのFilmでTransparentにチェック
※真ん中にオリジンのオレンジのポイントが映ってしまっています。これもレンダリングされてしまうのでViewPort Overlaysを切ります

レンダリングはViewのタブの下のViewport Render Imageを押すと、ビューポートに表示されてるままレンダリングしてくれる。
ビューポートレンダリングでそのままの色を出すためのカラーマネージメント設定
Blenderのビューポートレンダリングを使って文字素材を書き出す際、そのままの色を正しく出力するためにはカラーマネージメントの調整が必要です。デフォルトの設定では、色が補正されて見えることがあり、意図した色と異なる結果になることがあります。
これを防ぐためには、[レンダープロパティ] → [カラーマネージメント] で “View Transform” を “Standard” に変更します。デフォルトの “AGX” や “Filmic” では色が補正されるため、純粋な色を出したい場合には適していません。
“Look” の設定も “None” にします。
emissionは使えるのか?
均一な色を出すだけならemissionを使っている方も多いですが、レンダーエンジンの影響や、周囲の影響があるため、正確にその色を出したいならビューポートディスプレイで色を設定した方が確実です。
ビューポートディスプレイなら色がそのまま出る理由
Solidビューの「ビューポートディスプレイ」で設定した色は、レンダリングエンジンを介さずに直接表示されるため、以下のメリットがあります:
✔ カラーマネジメントの影響を受けない(リニア変換やトーンマッピングがない)
✔ ライティングの影響を受けない(照明なしでも一定の色で表示される)
✔ どのビュー設定でもほぼ同じ色が出る(特にFlatライティング時)
まとめ
ビューポートディスプレイ、ビューポートレンダリングを活用することで、シンプルかつ柔軟に書き出せることがわかりました。映像制作やエフェクトの一部として文字を使いたい人におすすめの方法です!