この記事にはプロモーションが含まれています。

【Blender4.3】ホワイトバランス調整:色温度と色味をコントロールする方法

blender

Blender4.3になって新たに追加された機能、ホワイトバランスの調整方法について解説します。
ホワイトバランスは、画像や映像の色味に大きな影響を与える重要な要素です。特に色温度(冷たい色味と暖かい色味)を適切に調整することで、シーンの雰囲気を大きく変えることができます。

Blenderでは、色補正ノードコンポジティングノードを使って、撮影時に意図しない色味を調整したり、色温度を変更することが可能です。この記事では、ホワイトバランスの基本的な概念や、どのように設定するかを詳しく説明していきます。

この記事は、Blenderのホワイトバランスについて詳しく知りたい中級者向けの記事です。

難易度 3.0

スポンサーリンク

ホワイトバランスと色温度

ホワイトバランス色温度は密接に関連しています。ホワイトバランスは、画像や映像で白色が正しく再現されるように色味を調整するプロセスであり、色温度は光源の色味を表す尺度です。

  • 色温度は、光源が発する色の「温かさ」や「冷たさ」を示します。数値が低いほど暖かい色(赤みがかった色)、高いほど冷たい色(青みがかった色)になります。
  • ホワイトバランスは、撮影された画像や映像の色味を修正し、特に白色が正確に表示されるように調整するものです。これによって、シーン全体の色調も適切に補正されます。

関係:

  • 例えば、色温度が低い(暖かい色)光源で撮影すると、映像がオレンジがかったり赤っぽくなることがあります。これを補正するために、ホワイトバランスを調整して青みを加えることで、白が本来の白に近い色に戻ります。
  • 逆に、色温度が高い(冷たい色)光源では、映像が青白くなるため、ホワイトバランスを調整して赤みを加え、白色を自然な色合いに補正します。

ホワイトバランスの設定を調整することで、色温度に基づいて画像や映像の色味を正しく補正することができます。

とりあえずBlackBody(黒体放射)を使って色温度感のある環境を作ってみました。(ちなみにlightにnodeを使ってblackbodyで光を表そうとすると、Cyclesでしかうまくいきませんでした。)色温度は、黒体が放射する光の色(またはスペクトル)を表す尺度です。色温度が高いほど、放射される光は青色に近く(寒色系)、色温度が低いと、赤色に近い光(暖色系)を放射します。

左が9000Kの青白い光、右が2000Kの暖色で温かみのある光です。

スポンサーリンク

ホワイトバランス調整

ホワイトバランスはレンダープロパティのカラーマネージメント内にあります。プリセットもあり、下図のように様々な設定が用意されています。ホワイトバランスにチェックを入れても最初は見え方がほぼ変わらないのは、デフォルトの設定がIlluminantD65になっていて、この設定はblenderのもとの色空間であるsRGBの白の基準点にちょうど合うようになっているからです。

左図はColorAC様の色度図で、大体Blenderが採用しているsRGBの図に似てたから載せています(そのものではありません)白の基準点とは何かというと、White Balanceの二つの軸、TemperatureTintの軸があり、その軸で白の基準点を調整します。そうすると白の基準点がずれるので、全体の色調が変わり色調の調整ができるという感じです。

temperature軸を操作する

temperatureを操作するとは、上の図でいう、三角形の色空間の中の青~赤の曲線上を移動して基準点を変えるということです。

例えば3000Kとすると、白の基準点を赤側に持ってくるので、赤みが減り、青みが強調されます。

逆に9000Kとすると青の方を白の基準とするので、赤みが強調されます。

色温度という言葉が使われますが、ただ赤~青の色の調整くらいに思えばいいんじゃないかなと思います。

Tintの操作

Tint軸は上の図であるように緑からマゼンタまでの調整軸です。数値を小さくすると緑が強くなり、数値を大きくするとマゼンタが強くなります。

プリセットでデフォルトの値にしたとき少しTintがずれているのは、sRGBの色空間の白の基準点が少し緑の方に偏っているので、その調整のためです。

あまり難しいことを考えず、青~赤、緑~マゼンタの色調調整だと思って調整すると、カメラの調整のような自然な画像になるということなんじゃないでしょうか。

スポンサーリンク

カラーバランスとホワイトバランスの違い

色調調整だと思えばいいとか言っちゃいましたが、そもそも色調調整といえばフォトショップでいうカラーバランスなどがありますよね。何が違うんでしょうか。

カラーバランスホワイトバランスは似たような概念ですが、目的や調整範囲に違いがあります。以下のように説明できます:

  • ホワイトバランスは、白を自然な色で表示するための補正が主な目的で、特に色温度(冷たさや暖かさ)を調整します。
  • カラーバランスは、映像全体の色合いを調整するもので、特定の色(赤、青、緑)の強弱を調整して、全体的な色調を整えたり変えたりします。

つまり、ホワイトバランスは「白を正しく表示するため」、カラーバランスは「全体的な色合いを調整するため」に使用されます。

もちろん逆に色温度を強調することで、全体の雰囲気やトーンを変えたい場合もあると思います。