うっかりとか、バグめいたものとか、自分がちゃんと理解してなくてなど、様々な理由でリグやアーマチュアを動かしてもパーツがついてこないときがあります。前にも同じような記事を書いたんですが、それでもやっぱりやらかします。きっとわかってないんでしょうね。
将来の自分のために、チェック項目や解消法などを書いておきます。
この記事は、Blenderのアーマチュアを動かしてもパーツがついてこないときの対処法について詳しく知りたい初心者~中級者向けの記事です。
難易度
アーマチュアとは
Blenderにおけるアーマチュア(Armature)とは、3Dキャラクターやオブジェクトを動かすための「骨組み(ボーン)」のことです。いわゆるリギング(Riging)に使われるもので、ボーンを動かすことで、その影響を受けたメッシュ(キャラクターやオブジェクト)も一緒に動くようになります。
アーマチュアを動かすことでキャラクターや物質をアニメーションさせたい、させなければならないのに、なぜかパーツが一緒に動いてくれないというときは様々な要因(設定忘れ・うっかり)でよくあることです。
冷静に調べていけば原因は特定できるので、アーマチュアとメッシュがどう関連づけられているか根本の理解をしていくことが大切です。
アーマチュアと関連づける基本
オブジェクトにアーマチュアを関連付けて、動かせるようにする最低限の設定
●アーマチュアとオブジェクトをペアレントする
●アーマチュアモディファイアをつける
●頂点グループにウェイトをつける
最低限これやっておけば大丈夫のはずなのです。
この設定をするのに一番楽なのは、よく講座などでも説明されているように、
メッシュ選択→アーマチュア選択→Ctrl+Pで自動でウェイトを付ける です。
①メッシュを選択、②つけたいアーマチュアを選択、そしてCtrl + Pを押すだけで全てが完了するのにどうしていろいろミスが起こるのか。
自分が思うに、これはほぼショートカットコマンドなんですよね。これをするだけで、最低限の設定全部自動でやってくれるんです。ただこれをいつも自動でやってるので、少し複雑になったり、処理のプロセスが変わるとわからなくなってしまいます。
つまり、自動でやってくれるからこそ、根本を自分が全く理解してないまま作業しているということなんです。だからわからなくなる。
ビューレイヤーでペアレント関係をチェックしよう
3Dビューポートの右側にOutliner(アウトライナー)という、作ったオブジェクトなどがツリー構造のように並んでいるウィンドウがあると思います。これを見れば、オブジェクトの親子関係が把握できます。
これをチェックするのは、上記で書いた最低限の設定、アーマチュアとオブジェクトをペアレントする をきちんとできているのか見るためです。

左のビューレイヤーで、下層のボーンが入ってるArmatureレイヤの中にメッシュが一つしか入ってなくて、他のパーツが外に出てしまっているという状況に遭遇しました。
Armatureの中にfurby bodyというメッシュしか入っていませんね。他の目や足、耳などのメッシュは全部Armatureの外にあります。
この状況は完全にただペアレントしてないという簡単なトラブルの状況なんですけど、なんでこれで混乱したかというと、他のパーツには手動でアーマチュアモディファイアをつけ、ボーンの頂点グループをコピペして、ウェイトペイントはしていたので、ポーズモードで動かすときちんと動いていたからです。ただペアレントしてないので、オブジェクトモードでアーマチュアを動かしてもついてくるわけないんですよね。
最低限やらないといけない設定のうち2つだけやって満足してしまっていました。
なぜ手動で設定するのか?
たとえば目玉にアーマチュアをつけたいとき、ボーンの頂点グループを目玉のボーンしかつけたくない。ミスとかちょっとした手違いで他のボーンにウェイトがのるのを防ぎたいがために別々にアーマチュアをつけたいと思っています。そのときに目玉メッシュをアーマチュアにペアレントするのをよく忘却しています。
他にも、全てのメッシュを作成しアーマチュアをつけたあとで、他のパーツを作って足した場合などにもこのようなミスが発生しがちです。ウェイトペイントして、モディファイア付けたから大丈夫だろうと思ってペアレントを忘れる…などよくやります。
対処法
ウェイトを勝手につけられたくないけどアーマチュアをつけたいときは、With Empty Group(空のウェイトで関連付ける)などで①メッシュ選択②アーマチュア選択③Ctrl + Pをすれば、ウェイトを載せることなく確実にメッシュとアーマチュアを関連づけることができます。
トランスフォームのロックをチェック

これもこの間やらかしたミスなんですが、トランスフォームにロックがかかっていました。
というか自分がかけてました。こうなるとメッシュ自体が動けないので、ポーズモードでも動かそうとしてもパーツが全然動かないことになります。
なぜトランスフォームにロックをかけるのか?
これは完全にただのミスで、たまたまカーソルが当たってしまってロックがかかってしまう場合と、勘違いでロックをかけてしまう場合があります。
何の勘違いかというと、多分、ボーンコンストレイントのLimit Locationとかで制限をかけることができるんですが、それと間違えてかけたんだと思います。(もう自分が何を考えてロックしたのかよくわからない)
さすがにもう今後同じ間違いをしないよう覚えていきたいです。
ウェイトペイントをチェック
ウェイトペイントの問題
✅ ボーンに適切なウェイトが設定されていない
→ ウェイトが0だと、そのボーンの影響を受けない。
→ 「ウェイトペイントモード」で確認し、必要に応じて修正する。
✅ 自動ウェイト割り当てがうまくいっていない
→ 「自動のウェイトで割り当て」が失敗していることがある。
→ その場合は手動でウェイトを調整する。
ピンクで塗れているはず…と思ったら、ボーンが割り当てられていないトラブル時に出るピンク色だった、などありませんでしょうか?
しかしこのウェイトペイントのミスはわかりやすいし、ちゃんとウェイトが乗っていなくても部分的に乗っているから、ウェイトペイント時のミスだっていうのは意外とわかりやすい部類だと思います。
モディファイアの順番
モディファイアをかける順番でトラブルが起きる場合も多いです。
✅ アーマチュアモディファイアより上に別のモディファイアがある
→ モディファイアの順番 によっては動きが反映されないことがある。
→ 「アーマチュアモディファイア」が上にくるように調整する。
✅ 別のモディファイア(ミラーなど)が影響している
→ 「適用」しないと正しく動かない場合もある。(サブディビジョンは適用するとウェイトする頂点が増えて面倒なのでできれば適用しない方がいいです。)
まとめ
Blenderでアーマチュアを動かしてもパーツがついてこない原因には、ウェイトの設定ミス、親子関係の誤り、モディファイアの影響、ボーンの制約、スケールや回転の適用忘れ など、さまざまな要因が考えられます。これらのトラブルを解決するには、アーマチュアの基礎を理解し、どの仕組みがどのように影響しているのかを把握すること が重要です。
特に、ウェイトペイントの確認、アーマチュアモディファイアの設定、親子関係の適切な適用、制約やIKの影響チェック などを意識すると、多くの問題はスムーズに解決できます。
最終的に、アーマチュアを思い通りに動かすには、根本的な仕組みを理解することが不可欠 です。しっかりと構造を理解していれば、原因を素早く特定し、トラブルを回避できるようになります。問題が起きたときは「なぜそうなるのか?」を考えながら試行錯誤することが、スキル向上の近道です。
追記
以前にも同じような記事を書いたなーと思い見てみたら、ほんとに同じようなことを書いていて自分で困惑しました。アーマチュアについてここより少し詳しく解説しようと試みた後があり、面白かったです。