Blenderでモデリングをしていると、思ったように変形できなかったり、形が崩れてしまうことがあります。
たとえば、メッシュを変形したときや、ブーリアンでくり抜いたり合成したとき、ベベルをかけようとしたときなど、思わぬ問題が起きることがあります。
この記事では、自分の経験をもとに「どんなときに形が破綻しやすいか」をまとめてみました。
また、対処法や解決法、回避法なども解説しています。
サブディビジョンサーフェスがうまくいかないとき
トポロジーがおかしい
サブディビジョンサーフェスがうまくかからないときは、大体トポロジーやメッシュが綺麗ではないときが多いです。
- 辺の数、面の形が対称ではない
- 四角形ではない
など、の問題があります。
サブディヴィジョンサーフェスをかけるときには、なるべくすべての面を四角形にして、同じくらいの粗密でバランスよく辺や面が配置されていると綺麗にかかります。


ベベルがうまくいかないとき
ベベルをかけようとしたのにうまくいかないのはよくあります。原因もかなりたくさんあると思いますが、自分が今まで経験したり思い当たるものを挙げていきます。ベベルモディファイア使用時や、Ctrl + Bで自分でベベルをかける場合など同様に問題になります。
スケールがおかしい
ベベルが均等にかからないときは、スケールを適用していないときがほとんどです。
オブジェクトモードでスケールをしたあとは、オブジェクトにスケール比率の情報が入ってしまっているので、Ctrl + Aでメニューを出し、Scaleを適用してください。


上下面のベベルがやたら平べったい↑
スケールを適用すると、上下や側面の辺にも均等にベベルがはいるようになる。↓

頂点が重なってる・近い
Ctrl + Bでベベル↓

形を変えている過程で、頂点が重なってしまったりかなり近くになってしまったりしているとうまくいきません。
頂点間の距離がベベルの幅よりかなり狭い場合はベベルが重なったりしてメッシュが崩れます
モディファイアでベベル↓

ベベルモディファイアは頂点が近いと、頂点間までの間しかベベルしてくれません。頂点が重なってる場合はそもそもベベルがかかりません。
オブジェクトの頂点が近すぎないか、重なってないかチェック。
面が反転している
Ctrl + Bでベベル↓

モディファイアでベベル↓

面の向きが反転している境目ではベベルがうまくいきません。Ctrl +Bでベベルした場合は反転してる面にはベベルがかからなくなります。
モディファイアでベベルした場合はベベルの向きが反転したりします。
面の向きをチェックし、面の向きをそろえること。
ブーリアンしたあと
ブーリアンで穴をあけたあとベベルが均等にかからない

ブーリアンで穴をあけたりすると勝手にカットの辺が挿入されているが、その形が悪くてベベルがうまくかからないときがあります。
大体斜めの線が入れられてしまうので、自分で直線の切れ目をいれておくとベベルがうまくかかることが多いです。
修正の仕方

斜めの線を直線に直す
斜めの線は溶かし(Dissolve)、自分でカット(k)して直線の辺を作ります。

均等にベベルされます
ベベルの角度設定
ベベルモディファイアを使う際、角度はデフォルトで30度に設定されています。その付近の角度の辺だと、意図したようにベベルがかからないこともあります。

赤枠で囲った辺にベベルがかかってない
設定の角度をさげたり、調節してベベルがちゃんとかかるようにしたり、かかってほしくないところを除外することができます。

ベベルの設定角度を下げたことで、ちゃんとベベルがかかるようになった
フチによりすぎ
ベベルがかかってるフチギリギリにパーツをブーリアンなどでくっつけようとするとベベルが影響を受ける。

モディファイアをかける順番を、ベベルを先にすることでこの問題を解決することもできます。

ブーリアンでうまくいかないとき
ベベルがかけてあるものでブーリアンするとき
ブーリアンがかかってるオブジェクト同士でブーリアンすると、ベベルがおかしくなったり、かからなくなったりします。


理由としては、相手のベベル角度や幅に影響を受けて、全体のベベルが制限を受けてしまうからです。
相手のベベルによってできた頂点間の幅以上にはベベルが広がらなくなってしまいます。
解決方法としては、
- 相手と自分のベベル設定をなるべく合わせる
- ベベルの角度設定を調節してみる
などで直ることがあります。

モディファイアの順番
モディファイアの順番を変えることで形状も変わります。
例えば、ベベルをかけてから、ブーリアンをかけると、くりぬかれた切り口にはベベルがかからなくなります。

うっかり複製されている
これはよくあるミスなんですが、交差したり差分をとったり、同じオブジェクトからブーリアンでいろんな形を作ろうとしているときに、何個もオブジェクトを複製して、同じオブジェクトが重なったりしている場合が結構ありました。
このまま作業を進めていると、頂点や辺の編集や、統合などしていくとメッシュが崩れる原因になります。ブーリアン作業のときには、いらないオブジェクトが重なっていないかチェックした方がいいです。

注意した方がいい作業
他にも、全体的にメッシュが崩れる要因になりそうな作業
頂点・辺・面編集作業
トポロジーを整理しようとして頂点を足したり削除したり、作業していると知らぬ間に面が反転していることがあります。
面の方向表示をオンにしてチェック。また、マテリアル表示では色がわかりにくくなるので、注意が必要です。

押し出し
Planeなど平面を出す、カーブから作業を始めるなど、立体ではないものから作業を始めて押し出すと、面が反転しがちです。押し出す方向を確認。
また、Solidifyなどで押し出しをしたあと、裏面になってしまったり、複雑な形のときは裏面が出てきてしまうことも。頂点が近づきすぎたり重なったりしてベベルやブーリアンが効かなくなることもあります。


Pで分離したあとの面張り
コップ、飲み物などを作るときによくやります。内側のメッシュを使おうとすると法線が逆になりがちです。形が崩れるというか、マテリアルがおかしい表示になるので忘れずにチェックした方がいいです。

モディファイアの順番
メッシュにつけているモディファイアの順番もかなり重要で、この順番を変えるだけで、形状が変化します。
基本的には、最後に重み付き法線、その手前にベベル、その手前にミラー、みたいな感じで、表面部分に適応するモディファイアは最後にするといいです。

モディファイアの順番がおかしいとき↑
- 形を変えるモディファイア(ミラー、ブーリアン、solidifyなど)
- ベベル
- 重み付き法線
などの順に並べ直す

↑並べ直すと、それぞれのモディファイアの効果がきちんと出ている
まとめ
今回、ベベルやブーリアンをメインに書きましたが、それ以外にもサブディヴィジョンやミラー、編集モードなどの操作でも気を付けた方がいい作業はいろいろあります。
- トポロジーを綺麗にする
- 四角ポリゴン(クアッド)を基本にする
- 必要なら「ループカット」「ナイフツール」でクアッド化
- 均一なトポロジーを意識する
- 無理な交差や極端な密集を避ける
- スケールを正しく適用する(Ctrl+A → Scale)
- ベベルやサブディビジョンが均等にならない
- ベベルの限界を知る
- エッジが鋭すぎる or 面の幅が狭すぎると、ベベルが潰れる
- 適度な距離感を保つ
- 頂点が集まりすぎる部分は整理する
- エッジが鋭すぎる or 面の幅が狭すぎると、ベベルが潰れる
- ミラーやモディファイアの結合ミスに注意
- Apply前に、ミラー軸がぴったり重なってるか、法線が揃ってるか確認
- 崩れやすい原因:
- ミラーの中心に隙間がある
- 「Merge」オプションがONになってない
- ノーマル(面)の向きを確認・統一
- 法線がバラバラだと、シェーディングや変形に影響
- Subsurf(サブディビジョン)のプレビューに頼らない
- プレビュー上は綺麗に見えても、実際のトポロジーが荒れていると後で崩れる
- 必ずワイヤーフレームでチェック
- 重複頂点や面を削除する
M → 距離でマージ
で不要な頂点を統合- 意図せぬ穴あき・ピンチを防ぐ
- 定期的に形を「確認」する視点を変える
- モデリング中はつい正面・側面に偏りがち
- 回転 (
Middle Mouse
) して立体として自然かを確認
注意する点がたくさんあると思うかもしれませんが、全部慣れていけば自然とチェックして確認できるようになるし、対処法も体得してくるので、とにかく作っていくことが大切です。
コメント